2010年12月7日火曜日

「Ginga」に出演する岩崎さとこ

高校生のときに今村昌平監督の映画「楢山節考」でデビューしたという経歴の持ち主なので、役者歴は長い。
が、私との付き合いは朗読がスタートだった。
かれこれ10年近くになるかもしれない。
岩崎さとこには数々のオーディオブックを収録してもらっている。夏目漱石の『夢十夜』や『こころ』、林芙美子の『放浪記』といった大作をはじめ、織田作之助の『夫婦善哉』や『競馬』など、すぐれた朗読をたくさん残してくれている。
私にとって岩崎さとこは、映画俳優でも舞台役者でもない。秀逸な朗読パフォーマーだ。

私が演出したものには、現代朗読協会がNPO法人としてスタートしたときの旗揚げ公演ともいうべき「おくのほそ道異聞」に出演したもらったことがある。2006年春のことだ。
それまでにも小さなライブパフォーマンスはちょくちょくやっていた。
非常に反応性の高いパフォーマーで、独特の個性もある。ほっそりした小さな身体の女性なのだが、パフォーマンスでは大変大きく見える。
私としては彼女にもっと朗読に本腰を入れてもらいたいのだが、演劇や映画方面が本拠地だと思っているらしく、なかなかこちらへ来てくれないのがもどかしい。
朗読のほうが未開拓で、未知の表現ジャンルなので、岩崎さとこにも広大な可能性があるのにね。

それはともかく、今回はみずから名乗り出て「Ginga」に出てくれるという。
ありがたいことだ。
彼女にはちょっと不思議な役回りを受け持ってもらう。自由度が非常に高い役回りなので、いろいろ思いがけないことをやってくれるのではないかと期待している。
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