2012年6月16日土曜日

現代朗読と音読療法の関係

時々質問を受けるので、書いておくことにした。
おなじ人間がやっているので、とくに現代朗読協会の内側にいるゼミ生は時々混乱してしまうようだ。
しかし、これらはそれぞれ、別の活動としての位置づけだ。

ただし、根っこはおなじだ。
両方とも私が20代のころから一環して関わってきたラジオやテレビ番組の制作、音楽活動、朗読セッションといった音声表現の活動をベースとしている。
とくに2000年以降、活動拠点を東京に移してから、朗読表現について「従来の型にはまらない演出・指導法と表現の原理」について客観的・論理的に思考し検証してきた結果、現代朗読という方法が確立されてきた。
これは「表現活動」としての現代朗読。

一方、その過程で、朗読や呼吸法、身体の使い方、共感的コミュニケーションといった現代朗読で検証されている方法が、私たちの心身にとてもよい影響をおよぼすことが、経験的に実感されてきた。
とくに2011年の東北大震災の直後から、この方法を使って心身の調子を崩した人のケアをしたり、被災地に直接行って音読ワークをおこなったりして、音読療法を意識的に体系化する作業を進めた。
これは急ピッチで進められ、2011年秋からは音読療法士を育成するためのマスターコースがスタートした。
こちらは音読療法士という「職掌」を創出し、なおかつ社会貢献としての仕事・事業を展開するための活動である。


現代朗読の「表現活動」は現代朗読協会という法人格が中心になっている。
ライブや公演をおこなったり、子どもたちとワークショップをやったり、といったことだ。
昨日の業平小学校での音読エチュード授業も現代朗読協会の活動のひとつだ。

音読療法は音読療法協会という任意団体が中心となっておこなっている。
クライアントとの個人セッション、グループセッション、職場や学校、老人ホームなどに出かけていって、健康法や心身ケアの方法を伝授したり、いっしょにおこなったりする。

表現にも社会貢献の仕事にも興味がある人がいたり、またどちらか一方だけという人がいるのは当然のことだろう。