2012年10月31日水曜日

「腹が立った」ことを人に伝えるとき

photo credit: amanky via photopin cc

共感的コミュニケーションの方法を身につけていても、腹が立つときは腹が立つ。
自分がないがしろにされた、侮辱された、決めつけられた、さまざまな場面で、日々腹立たしいことは起こる。
共感的コミュニケーションはそういった感情を押さえこむ方法ではない。
むしろ、それらの感情ときちんと向かいあい、対処する方法だ。

先日、ある知り合いが、自分がのけものにされていると感じ(なにかの集まりの連絡が彼に行かなかったようだ)、そのことにたいしておそらく自分がないがしろにされた思って「おれは腹が立ったんだ」ということをみんなに向かって表明していた。
そのこと自体は悪くない。
自分の感情をきちんとわかり、それを相手に伝えようとするのは、感情を無視して黙りこんだり、がまんするよりはずっといい。
ただ、その感情の伝え方には方法がある。

相手からただ「腹が立った」といわれると、たいていの人は「あ、ごめんなさい」と萎縮してしまう。
相手から「尊重のニーズが損なわれて腹が立った」と、ニーズをそえていわれると、「ああ、尊重のニーズがあったのね」と理解できる。
このふたつのあいだには大きなちがいがある。

ニーズをそえて感情を伝える。
たったこれだけの単純な方法で、つながりの質を保ったまま自分の感情を伝え、なおかつ自分のニーズを相手に理解してもらうことができる。

梅津和時、臼井康浩、徳久ウィリアム、徳久珠央、つながってる

ムイ「よいちょっ!」

今日は日中に決まった予定がないので、調子が悪くなったWiFiルーターを修理に出しに行くのと、渋谷のミュージックランドまでアートリアのミニキーボードを買いに行こう。
夜は中野〈Sweet Rain〉で板倉克行さんのライブ。
今夜のゲストはアルトサックスの梅津和時さん。
もちろん野々宮と照井も朗読で出るだろう。
私はたぶんまた欲求不満。

梅津さんは先日、名古屋の〈バレンタイン・ドライブ〉という店で演奏していらしく、そこにちょうどイリちゃんが行っていたとのこと。
イリちゃんは名古屋での即興セッションを私のためにたくらんでくれていて、名古屋を代表する即興演奏家の臼井康浩さんに引きあわせたがっている。
と思ったら、残念ながら私は行けないのだが、11月4日に臼井さんが東京でワークショップをやるという。
見たら、なんと徳久ウィリアム氏とも共演するではないか。
いやいや、つながってるなあ。

ちなみに臼井さんの飼い猫の名前もムイらしい。

そして私はウィリアム氏の奥様の珠央さんとのコラボ企画で、フットセラピーとミュージック・メディテーションによる「玉響のとき Vol.2」を羽根木の家で開催するのだ。
わくわくしながら音の仕込み中。
くわしくはこちら

音読日めくり10月31日:菊池寛「杉田玄白」

「音読日めくり」を更新しました。
今日の音読日めくりは、菊池寛「杉田玄白」です。

今日のフォトは踏切の遮断機の動力部分です。
京王井の頭線の下北沢駅の踏切で撮影したものです。

2012年10月30日火曜日

煮豚を作る、昼ゼミでひさしぶりに演出的耳を使った

昼に煮豚を作る。
これ、超簡単レシピで、ブログにupしてあると思っていたのだが、検索しても出てこないので、近いうちに紹介しよう。
サヤ佳活動10周年記念公演のときに作ったおでんの残りといっしょに、昼食。
しっかり食べて、いまだに(20時現在)お腹がすかない。
もちろん晩ご飯はなしですます(いつものことだが)。

午後3時から昼ゼミ。
臨時ゼミなので参加者はすくなく、祥子ちゃんと玻瑠さんだけ。
と思ったら、終了まぎわになってオーディオブックリーダー養成講座受講中の大西さんがいらした。

玻瑠さんは小川未明を、祥子ちゃんは岡本かの子を読む。
なんだか演出的な態度で朗読を聴かせてもらうのはひさしぶりな気がする。
ただ耳になり、ただ受容して朗読を聴かせてもらうのは、私にとってはとても大切な時間であり、うれしいことでもあり、また自分の能力を発揮できる実感があるときでもある。

祥子ちゃんの身体の使い方についてアドバイスする。
身体を「縦」に使うことについてのアドバイス。
姿勢を縦向きに意識する。
呼吸器系を縦方向にのばす。
口も縦に大きく使うことを意識する。
とたんに読みと音の響きが変化しておもしろい。

もうひとつ、音程についてのアドバイスも。
女性の朗読者にはふたとおりあって、ふだん自分の声が「女性っぽすぎる」と思って自然で楽な音程より低く抑えてしゃべろうとしてしまう人と、逆にかわいく聞かせようとして意図的に高い音程を作ってしゃべってしまう人。
祥子ちゃんは前者の可能性があると感じて、いろいろやってもらう。
いずれにしても、自分の自然な発声で朗読できたとき、その音はとても魅力的なものになる。
祥子ちゃんの今日の朗読も、とても魅力的なものを引きだせたと感じて、私は自分の貢献と能力発揮のニーズが満たせてうれしかった。

掘りごたつライブの企画案が出てきたりもした。
これはぜひ実現したい。

昼ゼミのあいだ、なぜか羽根木の家猫のムイがみんなにからんできて、超かわいかった。
これこそ「無作為」「自然」「自分に正直」である姿の魅力であろう。
人間にはなかなか難しいことではある。

iPhone5に機種変しない、料理しよう

ソフトバンクから、いま使っているiPhone4Sを2万円で下取りしてあげるからiPhone5に乗り換えない? という案内が来た。
ついでがあったのでソフトバンクショップに行ってみた。

店の人に料金表とかを見せてもらったら、いま使っている4Sの分割がまだけっこう残っているし、iPhone5の高速通信は定額でも高くなるので、かんがえなおした。
それに、実機をこれまで何度か見ているけれど、画面が大きくなった分のっぺりと縦長になった「電話機」はあんまりかわいくない。
まりもちゃんがいまだにiPhone3Gを使っていて、「時々フリーズしたり遅くなったりすることも含めてかわいいんですよ」と大事にしていたのを思いだした。
そうだよな。
私はこの小さな画面サイズのiPhone4が気にいっているのだった。

いま思いついたんだけど、音楽塾でいつか、コンピューター音楽もしくはスマートフォン音楽についての解説もやってみようかな。
11月の「水城ゆう音楽塾」は11月4日、11日、18日のすべて日曜日午後7時の開催。
くわしくはこちら

今日は朝ゼミが流れたので、午後の昼ゼミのみ。
しかも参加者は2名、かな?
その前に豚肉を買ってきてあるので、ひさしぶりに煮豚を作ってお昼ご飯にしよう。

UKAJI SOUND OF VISION vol.156 に行ってきた

昨夜は明大前〈キッド・アイラック・ホール〉まで表題のライブを聴きに行ってきた。
このライブは過去に2回聴いているのだが、その衝撃についてはすでに書いている。
最初のはこちら
2回めのはこちら

昨夜は3回めともあって、心構えがあったのでショックを受けるということはなかった。
過去2回はいずれもひとりで出かけたのだが、昨日はげろきょの仲間何人かといっしょに行った。

UKAJIさんの音楽へのアプローチは現代朗読の朗読へのアプローチと通じるところがある。
たとえば、昨夜も演奏されたバッハの「無伴奏チェロソナタ」だが、よく知っている曲なのにけっして流暢には演奏されず、ときに立ち止まり、ときに時間軸が長くのばされ、ときにブレスノイズやリードの裏返った音が重なったりと、こちらに「よく知っているメロディを追うことの快感」を与えてくれない。
むしろそこから聴衆を引きはがし、別の場所へ連れて行こうとする。

別の場所とはどんな場所なのか。
そこは「メロディライン」という音楽的記号で支配されていない、音そのものに直接触れることのできる場所である。
無伴奏チェロソナタを聴くとき、聴衆はそのメロディラインを追って「聴いたつもり」になっているが、本当に彼の耳はその音楽に対して開かれていたのだろうか。
メロディラインのほかに、バリトンサックスの音色やその変化、演奏者の呼吸や身体から発するノイズ、あるいは自分自身が立てる衣服や呼吸の音、そういったものもたしかに演奏空間のなかに存在している。
それらを全部受け取ることで、演奏者と聴衆が濃密なコミュニケーションをおこなうという、ある意味ディープな音楽体験を得ることができる。
そういう場所だ。

現代朗読でも、文字に書かれた物語を読むことで聴衆がおはなし/ストーリー「だけ」を追ってしまうことから、別の場所——人の声や存在の音、実体、コミュニケーションに気づける場所へと聴衆を連れていくことができれば最高だとかんがえている。
たぶんめざしているのはおなじ方向。

ただ、人は記号を求め消費するように教育されつづけているので、一般社会においてはこういう方向性は「需要」は少ないんだなあ。
そもそも「需要」というのは表現とは関係のない経済言語だし。

音読日めくり10月30日:ガンジー「非暴力」(福永渙・訳)

「音読日めくり」を更新しました。
今日の音読日めくりは、ガンジー「非暴力」(福永渙・訳)です。

今日のフォトは雲ひとつない秋空です。
出かけた先でなにげなく撮った風景ですが、みごとな空でした。

2012年10月29日月曜日

富士見台で音読ケア、ピアノレッスン、バリサクライブ

羽根木の家のグリーンカーテンとして作っていたゴーヤの最後の収穫をして、それを豚肉と炒め合わせて昼食に。
ゴーヤは苦みが少し強くなったような気がするけれど、やはりみずみずしくておいしい。
豚肉はどうでもいいくらい。

井の頭線で渋谷、山手線で池袋、西武池袋線で音読ケアのために富士見台へ。
今日の音読ケアは〈メディカルホームまどか〉で。
メンバーはVTきゃたおか、佐藤ピリカ、野々宮卯妙。

きゃたおかさんがリードして音読ワークをおこなう。
この施設にはグランドピアノがあったので、最後に私が秋にちなんだ唱歌を演奏する。
「紅葉」「里の秋」「旅愁」「ふるさと」の4曲。
皆さんに喜んでもらえて、お別れする。
来月もやる予定だが、あいにく私は別の用事がはいっていて、参加できない。

羽根木の家にもどり、ピアノレッスン。
そのあと、明大前の〈キッド・アイラック・ホール〉に行き、バリトンサックス奏者UKAJIさんの「Sound of Vison」ライブを見る/聴く。
これについてはあらためて別に書く。

朗読お茶会「The Woman of Tea」

NPO法人Art BEat Heartが主催のイベント「秋の朗読お茶会」が、2012年10月24日に北浦和の浦和伝統文化館〈恭慶館〉表広間にて開催されました。
そのときの最初の演目「The Woman of Tea」です。
岡倉天心の『茶の本』冒頭を引用しながらの水城によるオリジナルテキストです。
出演者でもあるほかの朗読者たちが菓子と茶を来客に出すあいだの朗読でした。

朗読:野々宮卯妙
作・演出・音楽演奏:水城ゆう

オリジナルテキスト「The Woman of Tea」はこちらで読むことができます。


即興セッションあれこれ、今日はグランドピアノだ

来月のおわりか12月のはじめに、また名古屋に行きたいと思っている。
名古屋はひょっとして東京よりフリーインプロビゼーションが盛んなのではないか、という話があるくらいで、このところ即興演奏法をまとめるのに力をいれている私にとっては、演奏チャンスがあるならどこにでも行きたい。
東京だとなかなかチャンスがなく、野々宮や照井らは板倉さんの即興ライブで遊んでもらっているが、板倉さんはピアニストなのでまさか私が割り込むわけにはいかず、板倉さんのライブに行けば行くほど私は欲求不満になる、という具合なのだ。
それなら自分でやりゃいいじゃん、と思うかもしれないが、即興系のライブを気軽にやらせてもらえるライブハウスはそう多くないのだ、東京には。
探せばあるかもしれないけどね。

というわけで、名古屋。
世話してくれる人がいて(長年の友イリちゃん)、私のそんなニーズを受けていまいろいろと動いてくれているらしい。
まことにありがたいことである。
ついでに、名古屋にも現代朗読と音読療法の拠点を作りたいな。

即興系のイベントでは、来週金曜日・11月9日の午後2時、フットセラピストの珠央さんとの共同企画「玉響のとき Vol.2」がある。
私はミュージック・メディテーションと題して即興での瞑想音楽を演奏するが、これを90分くらいの長尺でやってみようと思っている。
そのあいだに珠央さんが参加者に足つぼマッサージをほどこすという、とてもおもしろい企画だ。
すごく気持ちいいと思う。
みなさん、ぜひどうぞ。

そのあと「梅丘THE生エンタ」「槐多朗読」とつづくが、かんがえてみればいずれも生ピアノはない。
電子楽器での演奏となる。
それも嫌いではない。
しかし、今日はアコースティックのグランドピアノを弾ける。

今日はこれからボイスセラピストたちと富士見台の〈メディカルホームまどか〉まで行って、彼女らが音読ワークにからんで季節の唱歌のピアノ演奏をさせてもらうことになっている。
お年寄りのみなさんにいきいきと楽しんでいただける時間を提供できるとうれしいのだ。

音読日めくり10月29日:河上肇『貧乏物語』

「音読日めくり」を更新しました。
今日の音読日めくりは、河上肇『貧乏物語』です。

今日のフォトは三叉路の細長いビルです。
これは渋谷駅南口あたりの風景ですが、三叉路もかなり鋭角なので、ビルも極端に細長くなっていて、それがおもしろく見えました。

2012年10月28日日曜日

演出クレジットについて

ありがたいことに、現代朗読もすこしずつ認知度があがってきて、またゼミ生による独自活動も広がりを見せはじめていて、種をまいた私としてはこんなにうれしいことはない。
いまこのタイミングで、私の自由と真正さ、ゼミ生たちの自由と自立をより確かにするために、私自身がちゃんとしておこうと決めたことがある。

ゼミ生たちの独自活動がいろいろと広がっていくと、おなじ現代朗読でも、ゼミ生が自分で工夫し自由に発信するライブもあれば、私がプログラムを作り演出するライブもある。
また、それらが混在するライブや公演も実際に出てきている。

ある演目が私の演出を経ているのかいないのか、私の作品なのかそうでないのかなど、明らかにしておきたいと思いはじめている。
これまではなんとなくぐずぐずと、私の作品であったりなかったり、私が演出をしているのかしていないのか、私が演奏者として参加しているのかいないのか、とくにチラシや告知などであいまいな表記ですませてしまってきたようなところがある。
これからはきちんと明記したいと思うのだ。

たとえば、先日、北浦和でおこなわれた朗読お茶会の場合、冒頭で野々宮卯妙が読んだ「The Woman of Tea」は岡倉天心の『茶の本』からの引用を含んだ私のオリジナル作品であり、また私が演出を加え、そして演奏でも参加して音をつけたものである。
そのことはほとんどどこにも明記されていない。

てんトコロと玻瑠あつこが読んだ芥川龍之介の「袈裟と盛遠」については、私は少しだけ演出に口を出したおぼえはあるが、朗読者ふたりは私の演出ではなく自分たちで独自に工夫して作ったのだというかもしれない。
しかし、突発的に私が演奏で参加し、音をつけた。
こういうときは演出には名前をいれないけれど、演奏には名前をいれたいような気もする。
なんとなくあいまいで、すっきりしない。
今後はすっきりさせたい。

そのあとにひとり読みをした山田みぞれや宮本菜穂子の朗読については、私は演出もしなければ、演奏にも参加していなかった。
私の作品でもなかった。
こういう場合は明確ですっきりしている。

私の名前がクレジットにどのようにはいるかはいらないか、このことを今後は明確にしていきたいとかんがえている。
ゼミ生は私が関わる、関わらないに関係なく、どんどん自由にやってもらえばいいし、もしそこに私が関わっているということが明確に示されている場合、それがどのように反映されているのかについては、私の責任と自分の能力発揮/貢献のニーズに関係する問題として、気持ちをひきしめてやることができる。

近い日程では、11月17日(土)の「梅丘THE生エンタ」では私が演出と演奏参加(いくつかは作品提供も)、11月19日の「槐多朗読」では私が作品・演出・演奏を担当するということを明確に、まずは自分自身にしっかりとしめしておきたい。

ストーブつけた、ピアノ練習、キーボードほしい

最近にしてはきわめてめずらしく、今日はなにも予定がない日だった。
ちょっとのんびりした気分でくつろげたかも。
とはいえ、やることはたくさんある。
ま、それはちょっと置いといて……

寒かったので、ついにガスファンヒーターをオン。
室温は17度だった。
羽根木の家も寒くて、縁側に置いたテーブルでは仕事は不可能。
玄関脇の部屋にテーブルを大騒ぎして移動し、そちらにもガスファンヒーターを持ちこんで、ようやくひと息ついた。

午後、渋谷へ。
宮地楽器の無料スタジオ使用券を2枚もらったので、アップライトピアノのあるスタジオでピアノの練習。
明日、富士見台の老人ホームで、ボイスセラピストたちが音読ワークをおこなうのに付き合うのだが、そこにはグランドピアノが置いてあって、せっかくなので季節の唱歌を演奏することになった。
その練習。

練習が終わってからなにげなく、隣の楽器屋〈Key〉をのぞいたら、いつも選定に苦労しているmidiキーボードのコーナーになんかすばらしく使い勝手のいいキーボードがあるではないか。
25鍵と2オクターブしかないミニキーボードだが、音源も含めてすばらしく、ほしくなってしまった。
アートリアというフランスのメーカーの「Analog Experience」というシリーズの製品で、音源にmoogやprophet5のプリセットがバンドルされているのが売り。
音源もさることながら、鍵盤のタッチが使いやすい。
値段も2万円を切っているという、信じがたい安さ。
いいなあ、ほしいなあ。

もう10月も終わるが、11月10日には第12期の「朗読はライブだ!」ワークショップがスタートする。
これ、毎回内容が変わって、しかも驚くようなことが次々と起こるので、私としても楽しみなワークショップなのだが、みなさんにも好評をいただいている。
最終ライブは今回も明大前の〈キッド・アイラック・ホール〉で開催する。
詳細はこちら

サヤ佳語り活動10周年記念公演はとても気持ちのいい会になった

昨日、2012年10月27日。
朝から羽根木の家に行き、語りのサヤ佳ちゃんの活動10周年記念公演のための準備。
部屋を片付けたり、掃除したり。

午前10時前、サヤ佳ちゃんとお母さんが車で到着。
荷物の搬入、楽器類やそれを置くテーブル、映像投影のプロジェクターの準備、ピアノのセッティングなど。
昼は弁当で簡単にすませ、少しだけリハーサル。
「巨男の話」で野々宮が少しからむことになった。

開演は15時ということで、30分くらい前からお客さんがやってくる。
ゼミ生がたくさん来てくれてうれしい。
ほかに予定もあったので、少しだけでもと顔を出してくれた唐ちゃんからは、お祝いのケーキや花までいただいて、サヤ佳ちゃんはとても喜んでいた。もちろん私も。
ほかにも忙しいなか駆けつけてくれたゼミ生たち、ストーリーテリングの活動をされていてサヤ佳ちゃんをずっと応援してくれている古屋和子さん、長年応援してくれているバンガードさん、オルガニートの製作者で提供者の原田さん、Facebook経由で来てくれた何人かなど、羽根木の座敷がにぎわった。

演目はオルガニートに演奏をまじえながら自己紹介の語りから始まって、私のピアノといっしょにアイヌ民話、野々宮卯妙といっしょに新美南吉の「巨男の話」、もうひとつ新美南吉で「こぞうさんのおきょう」、そしてサヤ佳ちゃんの語りの原点ともいえる「いのち」を私のピアノと。
何人もが涙ぼろぼろになって鼻をすすっていた。

終わってからお祝いの宴会モードに突入。
野々宮が昨日からたくさん手作り料理を用意してくれていたのと、早めに来たゼミ生が何人か手伝ってくれたり差し入れてくれたものを合わせて、かなり豪華な宴会に。
途中で古屋さんが楽しい語りをいくつか聴かせてくれたり、「チーフ・シアトルの言葉」を語ってくれたり、思いがけないプレゼントをいただいた。
きゃたおかさんの「動物を育てるのが苦手なお父さん」の話とか、いろいろ楽しい話も飛びかい、大変楽しく、心あたたまる記念の会となった。
みなさんに感謝。

なんとなく一区切りついてほっとした気持ちがしている。
私の役割も一区切りついたような気がするし、貢献のニーズをみなさんの助けをもらいながら満たせた感じがしている。
これからもサヤ佳ちゃんは語りつづけるだろう。
みなさんの応援をこれからもよろしくお願いします。

音読日めくり10月28日:フランツ・カフカ『変身』(原田義人・訳)

「音読日めくり」を更新しました。
今日の音読日めくりは、フランツ・カフカ『変身』(原田義人・訳)です。

今日のフォトは並んでいるガス検針器です。
古いアパートの外などによくずらっと並んでいるのを見かけます。これは4個だけの小さなアパートでした。もっとずらっとたくさん並んでいるのを見ると、なんとなく気になります。

2012年10月27日土曜日

音読日めくり10月27日:片山廣子『燈火節』「花屋の窓」

「音読日めくり」を更新しました。
今日の音読日めくりは、片山廣子『燈火節』「花屋の窓」です。

今日のフォトは清涼飲料やドレッシング、生ハムの陳列棚です。
冷蔵棚というんでしょうか、これも下北沢のカルディの閉店セールのときの写真です。

2012年10月26日金曜日

納豆丼、ガス点検、共感的コミュニケーション

このところ、午前5時起きがつづいていて、調子いい。
寒いが、しだいに明るくなっていく時間帯に仕事をできるのは、気持ちがいいし効率もいい。
ただし、夜はそうそうに眠くなってしまう。

ひと仕事して、午前8時前後に朝食。
今日は納豆丼。
一膳のご飯の上に、3パック分(!)の納豆とネギと玉子の黄身をトッピングして、いただく。


かなり寒くなってきたので、一昨年リサイクルショップで買ったガスファンヒーターをそろそろ使えるようにしておこうとしたら、ガス栓のアタッチメントが合わない。
東京ガスに電話して、点検をかねて来てもらうことになった。

来たのは若いにいちゃんで、しかしてきぱきと仕事してくれた。
ガス漏れを調べて対処してくれたあと、アタッチメントを取りつけてヒーターを使えるようにしてくれた。
ヒーターは10年前の型式で、いまはそれよりかなり燃費のいいものになっているとのこと。
買い替えを勧められた。
いやまあ、それはそうなんだろうけどね。


夜はボイスセラピストのための特別研修として、共感的コミュニケーションの勉強会を和田さんの音頭取りで開催。
アクシデントで来れなくなった人が何人かいたけれど、少なくなった分、濃密な勉強会になったと思う。
私自身も学びと気づきの多い時間だった。
そしてお役に立てた、という貢献のニーズが満たされて、充実した時間だと感じられた。

明日は語りのサヤ佳ちゃんの活動10周年記念公演。

イベント盛りだくさんだがひとつひとつ丁寧に

昨年から今年にかけて音読療法協会が本格的に立ちあがると同時に、現代朗読のほうも注目されるようになってきて、自分たちでいろいろ企画をしたり、ありがたいことにあちこちからお呼びがかかったりと、スケジュールがびっしりだった。
それはいま現在もつづていて、過密といってもいいくらいなのだが、ひとつひとつのクオリティを落とさないためにも以後のスケジュールの立て方には注意を払いたいと思っている。
そして、ときどきこうやって書いておかないと、自分がいま歩んでいる道の路面の状態や道幅、段差、曲がり具合のことが見えなくなってしまうので、たまに立ち止まって整理してみる。

明日は語りのサヤ佳ちゃんの活動10周年記念公演を羽根木の家でおこなう。
かんがえてみれば、私も10年近く彼女のサポートをしてきたわけだ。
感無量。

昨日の打ち合わせで急きょ決まったのは、11月9日(金)に羽根木の家でおこなう「玉響(たまゆら)のとき Vol.2」
フットセラピストの徳久珠央さんとのコラボ企画だ。
フットセラピーを受けてもらいながら、私のミュージック・メディテーションでさらにリラックスしてもらおう、という内容で、極上の体験を提供したいと思っている。

翌11月10日(土)からは大好評の全6回シリーズ「朗読はライブだ!」ワークショップ第12期がスタートする。
最終ライブは明大前〈キッド・アイラック・ホール〉にて12月29日と30日に行なうことが決まっている。

さらに翌11月11日(日)は私がメイン講師を務める「介護予防アーティスト養成講座」の初日。
資格取得のためのシリーズ講座で、講座が全5回、実習が5回、30歳未満は無料で受講できるというものだ。
定員までまだ余裕があるらしい。

11月17日(土)は地元の音楽イベント「梅丘THE生エンタ」にげろきょも出演する。
出番は15時と16時の2回。 
梅丘駅前の〈テイクファイブ〉というお店が会場。
現在、これのプログラムを作成中。

11月19日(月)は明大前ブックカフェ〈槐多〉での「槐多朗読」が20時開演。
「沈黙の朗読」シリーズとして行なっているライブの第6弾となる。
このイベントは第7弾を来年の2月に上の〈キッド・アイラック・ホール〉でダンスのキムさんを迎えてやることが決まっている。

その他、ボイスセラピストの2級や1級の講座、オーディオブックリーダー養成講座、音読カフェのサポートなど、身体があとふたつかみっつくらいほしいところだ。
しっかりと体調を整えて、ひとつひとつマインドフルに、自分の能力を発揮することと貢献することのニーズを満たせるようにやっていきたい。

音読日めくり10月26日:梶井基次郎「ある心の風景」

「音読日めくり」を更新しました。
今日の音読日めくりは、梶井基次郎「ある心の風景」です。

今日のフォトはカップ麺の陳列棚その2です。
カップ麺の入れ物には、平べったい丼タイプと、縦長のカップタイプのふたとおりがあるみたいですね。カップタイプは日清のカップヌードルが最初だったと思いますが、これはそのカップタイプばかり並んでいる棚の写真です。

2012年10月25日木曜日

ママカフェ、玉響のとき打ち合わせ

今日は午前中から「おかあさんのための音読カフェ」、通称「ママカフェ」が羽根木の家で開催された。
これはゼミ生でボイスセラピストのフジサワさんが企画して準備してきた会で、ボイスセラピストの仲間たちがサポートしている。

子どもがいるママのために、こちらで子どもを預かって安心して参加してもらおうと、ベビーシッタールームを確保することになった。
朝8時に行って、その部屋の片付け。
まだけっこう私の荷物が残っていて、何度か荷物運びで往復したり、ゴミを捨てたりと、忙しく働いて疲れた。

VTきゃたおかさんが時間通りに来てくれて、掃除やら準備やら立ち働いてくれた。
アクシデントで来れなくなった人や、遅刻する人がいて、いきなりいろいろと大変。
それでもなんとか定時の10時半にはママカフェがスタート。
都さんのカフェスイーツも好評だったし、私も楽しませていただいた。
とても大事な企画だと思うので、これはぜひとも継続性を確保していけるといいと思った。

時間がないのでスーパーで弁当を買ってきて、ひとり、そそくさと食べる。
14時すぎ、フットセラピストの珠央さんが来て、あたらしい企画の打ち合わせ。
フットセラピーと音表現のコラボ企画「玉響(たまゆら)のとき」の第2弾を、私のミュージック・メディテーション(ピアノの即興演奏)とのコラボでやってみようという企画。
参加者は音楽でリラックスしながら、珠央さんの足つぼマッサージを順次受けられる。
相乗効果で身体と頭がリラックスし、感覚がひらいて、リフレッシュ効果を大きくするねらいだ。
まずは11月9日(金)の14時から羽根木の家で開催することになった。
詳細についてはあらためて告知します。

打ち合わせではいろいろなアイディアが出てきた。
創造性のニーズが満たされて、楽しかった。

夜、トランジションの定例ミーティングに参加する予定だったのだが、過密スケジュールで体調を崩しそうな予感があったので、休ませてもらう。
トランジションといえば、梅丘のナマエンタというイベント企画がいよいよ佳境にはいってきた。
げろきょも参加するので、そのプログラムを作成中。

自分のまいた種がよく育って自立していくこと

いま羽根木の家では、これを書いているまさにすぐ横で、「おかあさんのための音読カフェ」通称「ママカフェ」が開催中だ。
子育て中のおかあさんがたが集まって、子どもはもちろん大切だけれど、そのためにも自分自身を大切に扱う方法を身につけよう、という主旨で音読療法を体験してもらう会の初回だ。
これはゼミ生でボイスセラピストのフジサワさんが企画して準備してきた会で、ボイスセラピストの仲間たちがサポートしている。

こうやってみんながそれぞれ自立して自主的に、音読療法にせよ現代朗読にせよ活動していってくれるのを見るのは、とてもうれしい。
私がまいた小さな種が広がっていき、芽を出して大きく育っていくのを見るのは、私にとって大きな喜びなのだ。

これまで現代朗読にせよ音読療法にせよ、その核となる部分をかんがえ、指導したり実践したりしてきたが、それぞれ育ってくると私ひとりでは全部の面倒を見ることは不可能になってくる。
まだそれほど手に負えないというほどでもないが、それでもここ数ヶ月のスケジュールの過密さは限度を超えかけている。
完全にパンクする前に私がやっておきたいのは、私にかわって指導したり実践したりできる人をできるだけ育てておきたい、ということだ。

音読療法では2級と1級のボイスセラピストがいて、1級ボイスセラピストになるとグループワークのスキルも身につけるので、音読ケアとか、今日のような音読カフェを主催できる。
つまり、実践者になっていける。
私から離れてどんどん自分で実践していってくれることは大歓迎なのだ。

また、マスターコースの修了者は私に代わってすべてを教えたり実践したりする知識と経験を積んでもらうので、基本的に私にやれることはすべてやれる、ということになる。
これは音読療法の継続性についての安心を私にもたらしてくれる。

現代朗読のほうではまだ積極的に指導者、演出家を養成することはおこなっていないが、今後は徐々に力をいれていきたいと思っている。
現代朗読の活動は「ゼミ」という研究会のような場が中心になっている。
これまで私はほとんどすべてのゼミに出て、関わってきたが、これも徐々にゼミ生の自主性に任せていきたいと思っている。
長らく来ているゼミ生のなかには、現代朗読の方法や考え方について相当深く理解している人も出てきているので、そういう人にまずはゼミ活動の中心となって自主的な運営をおこなってもらいたい。
そうすることで、まずは私は楽をできる(笑)。

ゼミ生のなかには私があまりにハードスケジュールで動いていて疲れをためこんでいることについて心配してくれる人もいる。
そういう人の心配を取りのぞくという意味もあるし、私自身がより気楽さを確保して、自分の大事なニーズを満たす時間をしっかりと取ることもできるので、まずはゼミから、そして私が直接関わっているイベントのなかで手放していけるものは少しずつ手放していけたら、と思っている。

秋の朗読お茶会@北浦和が終わった

今日は日榮さんが主催の「秋の朗読お茶会」だった。
午前11時ごろ、羽根木を出て、北浦和に向かう。
途中、赤羽駅構内で昼食。

13時に会場の〈恭慶館〉に到着。
すでにメンバーは全員集合していた。
今日のメンバーは日榮、片岡、宮本、てん、野々宮、山田、玻瑠。

〈恭慶館〉はとても気持ちのいい環境で、和室、水場、テーブル席の部屋などがあるが、今回はテーブル席に座ってもらって聴いてもらうことになっていた。
14時開演。
冒頭は私が今回のために書きおろした「The Woman of Tea」を野々宮卯妙が朗読するなか、お客さんにお菓子とお茶を出していく。
20分弱くらいの作品に仕上げたのだが、ちょうどいい長さだった。

つづいて全員朗読による「草枕」。
現代朗読ならではのフリー群読。
お客さんもちょっとキョロキョロしたりして、最初は緊張されていたのがしだいにほぐれてきたようだった。
そのあと、玻瑠あつこ&てんトコロによる「袈裟と盛遠」、各参加者のひとり読みがつづいた。
この模様の一部は、近く、YouTubeで紹介する予定だ。

最後はみなさんにもちょっと声を出してもらって「枕草子」の冒頭を群読エチュード。
15時半、終演。
みなさん、おつかれさんでした。
次は「春の朗読会」かね、なんていいつつ解散。

音読日めくり10月25日:葛西善蔵「子をつれて」

「音読日めくり」を更新しました。
今日の音読日めくりは、葛西善蔵「子をつれて」です。

今日のフォトはカップ麺の陳列棚です。
コンビニの棚の一部ですが、こんなに種類が必要なのかと思うくらい、たくさん並んでいますね。

2012年10月24日水曜日

秋の朗読お茶会のお知らせ(10/24)

NPO法人Art BEat Heartが主催のイベントの紹介です。
昨年も開催しました。
現代朗読協会のメンバーが朗読で参加するほか、私も音楽演奏で参加します。
チラシには載ってませんが。

◎日時  2012年10月24日(水)14:00〜15:00
◎場所  浦和伝統文化館 恭慶館 表広間(JR京浜東北線北浦和駅西口徒歩5分)
◎参加費 1,000円(お抹茶、和菓子付き)

緑に囲まれた日本家屋で、ゆったりとした時間を過ごしてください。
あ、そうそう。
このお茶会のために、朗読のためのテキスト作品を一本、書き下ろす予定です。

参加申し込みは Art BEar Hear か現代朗読協会、または私宛に直接どうぞ。

即興演奏法(3)

photo credit: hillary the mammal via photopin cc

調は一般的な西洋音楽の場合、12諧調ある。
現代日本人も生まれたときから西洋音楽に慣れ親しんでいるので、1オクターブが12音に分割されている12諧調がなじみ深いだろう。現にピアノの鍵盤は、1オクターブの間に白鍵黒鍵とりまぜて12個ある。

ピアノの場合、話はシンプルで、1オクターブという音高の差を単純に数学的に12分割し振り分けている。非常に不自然な音階なのだが、こうしなければならない理由もある。このあたりは「音律」の話になり、音楽というよりむしろ物理のほうに近くなるので、ここでは解説しない。
12諧調は以下のようにならんでいる。一般的日本式(もとはイタリア式)、西洋式、日本の音楽教育で使われている方法の3つで記述しておく。

 ド ド♯ レ レ♯ ミ ファ ファ♯ ソ ソ♯ ラ ラ♯ シ (ド)
   レ♭   ミ♭      ソ♭    ラ♭   シ♭

 C C♯ D D♯ E F  F♯  G G♯ A A♯ B (C)
   D♭   E♭      G♭    A♭   B♭

 ハ 嬰ハ ニ 嬰ニ ホ へ  嬰へ  ト 嬰ト イ 嬰イ ロ (ハ)
   変ニ   変ホ      変ト    変イ   変ロ

上下に並んでいるのは同じ音である。
♯」や「♭」がついているのはピアノでいえば黒鍵の部分だが、「C♯」「D♭」のように2種類の表記法がある。同じ音である。
もうひとつ、日本の音楽教育では「ハニホヘトイロハ」式の表記法がある。「ハ長調」のように。

さて、調性の話にもどろう。
通常、西洋音楽で「C調」、日本式でいえば「ハ調」といえば、鍵盤の「ド」から始まる「7つの音からなる音階」で成り立っている音曲を表す。たとえば、次のように。

 ド レ ミ ファ ソ ラ シ ド

ことわっておくが、これは長調の場合だ。つまり「ハ長調」。西洋式でいえば「Key of C Major」となる。
ピアノではたまたま白鍵を順番に一個ずつ弾いているように思えるが、注意しなければならないことがある。それは、白鍵の間に「不規則に」黒鍵がはさみこまれている、ということだ。つまり、音の並びは「全音」だったり「半音」だったりして、不規則なのだ。
上記の音階だとこうなっている。

 ド(全音)レ(全音)ミ(半音)ファ(全音)ソ(全音)ラ(全音)シ(半音)ド

つまり、ドから始まって「全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音」と積み重ねて1オクターブ上のドに至る音階が、ハ長調の音階というわけだ。このならびのなかにある音を使っているかぎり、「ハ長調」という「調性」を感じられる。
この音階にない音を使うと、「調性」が崩れる、ということになる。
「変ロ長調」の場合だと、ミ♭から始まる「全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音」というならびの音階が、この調性ということになる。

 ミ♭ ファ ソ ラ♭ シ♭ ド レ ミ♭

このように、12種類の音すべてに対し、それぞれの音階を並べることができる。すなわち、西洋音楽の長調に限っていえば、12種類の調性があることになる。
同じ音のならびだから、どの調で演奏しても、移調しさえすれば曲はおなじになる……はずなのだが、実際にはそうならないところがやっかいであり、おもしろいことでもある。即興演奏家にとって、この「調が変化することによって同じ曲でも雰囲気が変わる」ことが、利用価値の高いファクターなのだ。

音読日めくり10月24日:折口信夫「山の音を聴きながら」

「音読日めくり」を更新しました。
今日の音読日めくりは、折口信夫「山の音を聴きながら」です。

今日のフォトは中華街入口の門です。
先日のホッチポッチ・ミュージックフェスティバルに出演したあと、みんなで中華街に行って打ち上げをしました。

2012年10月23日火曜日

表現者の独立性とネット利用

photo credit: Stuck in Customs via photopin cc

リア充とかいう言葉に象徴されるように、ネットやデジタル環境にどっぷり浸らない、それらに距離を置く生活が、人生を豊かにするという価値観が、なんとなく共有されている空気感がある。
たしかに毎日パソコンやケータイ電話にしがみついて、マインドフルネスではない時間を多くすごしていると、あまりに貧困な人生だという印象がある。
私もそれを共有認識とした上で、あえて今回は、ネットやデジタル環境はすばらしいではないか、という話をしてみたい。

音楽をやったり、小説を書いたり、朗読をしていると、ライブや発表の場が必要になる。
音楽の場合は、ライブをやるとき、フライヤーを作り、あちこちバラまいたり、持ちこんだりして、なんとかたくさんの人に知ってもらい、来場してもらえるようにがんばった。
新聞社やラジオ局に持ちこんで、取り上げてもらえるように努力したりもした。
もちろん一番効果的なのは、メジャーなレコード会社に持ちこんで、CDを出してもらうことだ。
いわゆるメジャーデビューだが、それは大変な労力と、コネと、運が必要だった。

小説の場合も出版社に持ちこんだり、新人賞を狙ったり、多大な労力を必要とした。
実際、私もそうやってきた。
つらく、悲しい道だった。

ネットが普及して、なにか表現をやっている人は、いつでも自分の表現作品を発表できるようになった。
工夫しだいでは、多くの人に見てもらうことができる。
たとえば、なにか音楽作品を完成させたら、それをYouTubeなどに公開し、自分のブログでアピールする。
だれかが聴いて、気にいってくれたら、Facebookやツイッターで拡散してくれるかもしれない。

たくさんの人が聴いてくれるようになったら、ライブにその人たちの一部が来てくれるかもしれない。
CDを販売すれば買ってくれるかもしれない。
これらのすべてが、個人の、自分の時間と、技量を使って実現できる可能性がある。

環境はすでに整っている。
大手のレコード会社も、大手の出版社も、もはや必要ない。
一個人がやる気さえあれば、全部自分ひとりでやれるし、その環境はすでに整えられている。
ならば、なぜだれかに頼る必要があるだろうか。
自分ひとりで始めればいい。

そのためには、ネットにどっぷりひたること、コンピューターにどっぷりと向かい合うこと、それをまずはいとわないことが必要かもしれない。
中途半端にかっこつけて、せっかくここにあるすばらしい環境を利用しそびれてしまうことが、自分の人生にとってどれほどの損失をもたらすのか、検証してみる価値はある。
時代はまったくあたらしいフェーズに突入している。

オーディオブックリーダー養成講座の一日、指導者を育成すること

ここしばらくスケジュールがみっちり詰まっていたので、手帳にゆっくり向かう時間すらなかなか取れなかった。
愛用しているフランクリン手帳にリングレスバインダーが出たので、さっそくそれに必要な分だけのリフィルをバインドして持ち歩いているのに、じっくり使いこむ時間が取れなくてちょっと欲求不満。
が、ちょっと落ち着いたので、今日からまたゆっくり手帳に向かい合ってみたい。

午前中から羽根木の家に行って、次世代オーディオブックリーダー養成講座を開催。
風雨がしだいに強まっていて、寒冷前線の通過とともに天気が荒れるとの予想のなか、講座をすすめる。
参加者が4名と少なく、天候のこともあったので、早めに終わる予定だったが、結局17時近くまでみっちりとやることになった。

オーディオブックもそうだが、私には次世代の指導者を育成したいという強いニーズがあって、現代朗読についてもそれがある。
現代朗読の基礎講座や体験講座を、いまのところ私がやっているが、私に代わって講師をつとめられる人が育ってくるのが、私の望みだ。
そうやって講座を手放していくことが、現代朗読の広がりを持つことになるだろうし、また核心の仕事に私の労力を集中する時間を確保できると思っている。

来月の次世代オーディオブックリーダー養成講座は、11月26日の開催。
詳細はこちら

水色文庫新作「The Woman of Tea」

photo credit: Yuki Yaginuma via photopin cc

著作使用権を開放している朗読作品集「水色文庫」に新作「The Woman of Tea」を登録しました。
これは明日、埼玉でおこなわれる「朗読お茶会」のために書きおろしたもので、冒頭で野々宮卯妙が朗読する予定です。
お茶会のほうと合わせてお楽しみください。

音読日めくり10月23日:織田作之助「木の都」

「音読日めくり」を更新しました。
今日の音読日めくりは、織田作之助「木の都」です。

今日のフォトはスパムの陳列棚です。
最近なぜか、このように同じものが規則的に並んでいる光景にひかれて、シャッターを切ることが多いです。
これは閉店セール中の下北沢カルディで撮影したものです。

2012年10月22日月曜日

朗読者(YouTube)

2012年10月19日、朗読公演「木を植えた人」の300回記念公演が、名古屋市でおこなわれました。
「木を植えた人」は朗読者・榊原忠美が10年以上にわたって各地で読みつづけてきた作品で、それが300回、そして1万人以上の人に聴かれました。

この記念公演に私・水城もお祝いにかけつけ、オリジナルテキスト「朗読者」をプレゼントさせていただきました。
これはその朗読の模様です。
会場はカフェ〈マテル〉。

音楽は水城ゆうと坂野嘉彦(クラリネット)。
照明は杪谷直仁。
テキスト以外はすべて当日ぶっつけ本番の即興セッションです。

オリジナルテキスト「朗読者」はこちらで読むことができます。


横浜ホッチポッチ・ミュージックフェスティバル(YouTube)

2012年10月21日、横浜で開催されたホッチポッチ・ミュージックフェスティバルに現代朗読協会が参加してきました。
20分くらいのパフォーマンスを横浜地方裁判所前の特設会場で披露しました。
そのときの記録映像です。

演目は「いちめんの菜の花」「こどもがせっせと歩く」「こころよ」「猫」「草枕」「枕の草紙」「祈る人」と連続しています。
朗読は野々宮卯妙、福豆豆子、佐藤ピリカ、山田みぞれ、唐ひづる、まぁや、てんトコロ、片岡まゆみ。
ダンスがキム・ウィシン。
演奏は水城ゆう。

なお水城ゆうオリジナル作品「祈る人」はこちらで原文が読めます。


音読日めくり10月22日:小川未明「月夜とめがね」

「音読日めくり」を更新しました。
今日の音読日めくりは、小川未明「月夜とめがね」です。

今日のフォトは神社の本殿前の灯籠です。
これもまた、愛知県の足助八幡神社で撮影させていただいたものです。

2012年10月21日日曜日

横浜のホッチポッチ・ミュージックフェスティバルに参加してきた

午前10時前、丸さんが車で迎えに来てくれる。
羽根木の家から出発するのは、丸さん、私、野々宮、野々宮の娘とその同級生のさきちゃん、福豆豆子、佐藤ピリカ、照井数男の、定員めいっぱいの計8人。
丸さんの車で横浜に向かう。

道路は予想外にすいていて、11時前には会場である横浜地方裁判所前に到着した。
機材をおろし、車を駐車場に入れてから、みなとみらい地区のほうにみんなで散策。
イベントをやっていて、のぞいたり、カフェでお茶したり、ぶらぶらしたり、最高に気持ちがいい秋晴れの天気で、海もながめることができたし、のんびりと時間を過ごすことができた。

ホッチポッチ・ミュージックフェスティバルはあちこちに会場があって、同時進行的にライブがおこなわれている。
ほとんどが音楽ライブだ。
朗読は我々のみ。

お昼ごろ地方裁判所前にもどると、出演メンバーがつぎつぎとやってきた。
みぞれちゃん、唐ちゃん、まぁや、てんちゃん、きゃたおかさん、そしてダンスのキムさん。
ゼミ生の佐藤くんや、元ゼミ生のくぼりかも来てくれた。

出番の時間・13:50分になって、機材のセッティング。
いざ始めようとしたら、目の前の道路を中国の宗教団体がデモ行進をしていって、しばし待機。
楽隊と太鼓の音がすごくて、とても朗読はできない。

デモ行進が去っていって、我々のパフォーマンスがスタート。
「いちめんの菜の花」から始まって、「こどもがせっせと歩く」「こころよ」「猫」「草枕」「枕の草紙」「祈る人」と、連続した演目というかエチュードを連ねたパフォーマンス。
野外という環境と、ノーリハーサルという条件のなか、予想外のことが次々と起こるも、みんなマインドフルに、自在に状況を受け入れて楽しんでくれた。
私ももちろん。

キムさんという、即興ができるすばらしいダンサーが、「不確定要素」として加わってくれたことで、より演目に自由度が増したのはうれしかった。
そして、その不確定要素を怖がることなくおもしろがって受け入れ、対応できたゼミ生のみんなにも、私は喝采を送りたい。

この模様は、丸さんがビデオで記録してくれていたので、YouTubeにupしたい。
ちなみに、写真はさきちゃんが撮ったものを使わせてもらっている。

墨田区立小梅小学校での音読授業、ホッチポッチ稽古、テキストゼミ

昨日、2012年10月20日、土曜日。
深夜に名古屋から東京にもどり、なんとか5時間弱の睡眠を確保。
音読療法のおかげで深睡眠を得て、すっきりと起床。

午前7時半すぎに羽根木を出て浅草に向かう。
墨田区立小梅小学校に行き、2年生2クラス合同で、2時間の音読授業をおこなう。
サポートにげろきょ仲間で音読療法士マスターの野々宮卯妙、ボイセラピストのフジサワと唐が来てくれた。
ほかに先日名古屋から体験講座に参加してくれた藤原さんも、今回たまたまこちらに来ているということで、写真撮影など手伝ってくれた。

音読授業は子どもたちとコミュニケーションを取りながら、臨機応変に音読エチュードを進めていくというもの。
子どもたちは元気いっぱい。
賢治の「どっどどどどうど」をリズム読みしたり、電車のようにつながって歩きまわりながら読んだり、歌詞で輪唱(歌うのではない)したり、音採集をしたり、方言マネをしたりと、みっちり2時間、こちらも楽しくやらせてもらった。
大人から見るとなにをやっているのかわからないかもしれないが、子どもたちにはとにかく頭で理解するより身体で体験し、実感してもらいたいと思っていて、それについては手応えを感じてうれしかった。

終わってから唐ちゃん、卯妙さんと浅草で昼食。
今半で焼肉定食。

羽根木にもどる。
15時から昼ゼミ、ホッチポッチ・ミュージックフェスティバルの演目の稽古。
夜はテキスト表現ゼミ。
深睡眠のおかげでなんとか一日を乗りきった。

「木を植えた人」300回記念公演、無事に終了

2012年10月19日、金曜日。
5日間にわたる愛知ツアー最終日、新栄のビジネスホテル・東横インで午前5時すぎ、起床。
ホテルの朝食をとり、シャワーを浴びてから、翌20日の墨田区立小梅小学校でおこなう音読授業の内容を考える。

チェックアウトして、名古屋駅で息子と会う。
コーヒーを飲みながら近況など話す。
もうすぐ誕生日なので、高島屋の上の書店に行き、本をプレゼントする。

息子と別れて、ビックカメラへ。
夜の「木を植えた人」300回記念公演で演奏参加することになっていたのだが、送ったはずの機材が届かないという手違いがあり、急遽、坂野さんにミニキーボードを貸してもらうことになった。
USB接続できるというので、MacBookAirにつないでLogicの音源を鳴らすことにした。
しかし「木を植えた人」の音響機材がどのようなものなのかわからないので、Macのラインアウト端子(廃れ尾見にプラグ)から出したアナログ信号をどのような音響端子にでも送れるように、ケーブルと変換プラグの組み合わせをあれこれとかんがえて最低限のものを買いそろえることにした。

オーディオ売場を見ているうちに、非常にコンパクトなBOSEのモバイルスピーカーの新製品を見つけた。
これがあればスタンドアロンで演奏できる。
届くはずだったスピーカーもBOSE製だが、それよりさらにコンパクトだ。
思いきって購入。

昼食をかねて、高島屋・ハンズのところにあったカフェでハンバーガーを食べる。
ちょっと仕事してから、早めに「木を植えた人」の会場のある南大高まで移動。
駅のところにある巨大イオンに入っていったら、すぐそこで深澤さんとふみさんがまさに今日の打ち合わせ中。
そのあと、ウェルバ・アクトゥスのメンバーのナオスケさん、コギソさんも合流して、みんなで打ち上げパーティーの買い出し。

コギソさんの車で会場のカフェ〈マテル〉に行く。
すでにバラさんと杪谷さんは到着していた。
お客さんがいなくなるのを待って、会場のセッティング。
ボイスセラピストの野崎さんがお花を持って来てくれた。
しかし私は機材が届かないのでなにもできない。
坂野さんは仕事があるのでギリギリになるだろうとのこと。

開演は7時半。
ちょっと不便な場所にあるためか、お客さんは早めに続々とやってくる。
機材が7時になっても届かなければ、演奏参加は取りやめよう、といっていたところ、6時59分に坂野さんがやってきた。
すぐにセッティング。
しかしもちろん、音チェックもリハーサルもなし。
本当のぶっつけ本番。

7時半、開演。
いつもようにCDから音が流れると、私と坂野さんがそれに合わせて演奏開始。
ミニキーボードなので演奏するというより、まあ音を出すといったところか。
それでも雰囲気よくバラさんの朗読が始まり、そして終了。
最後のところも演奏参加。

そのあと、バラさんと杪谷さんがこの朗読会を300回つづけてきたことの思いを語り、それぞれの関係者にお礼をのべたりする。
かんがえてみれば、「木を植えた人」の一番最初の企画は、私の提案からスタートしたのだった。
第一回は岐阜の高橋さん、そして第二回、第三回は私が主催、数えてみると、全部で7回主催していた。

おまけの朗読として、私がこの会のために書きおろした「朗読者」というテキストを、バラさんが読む。
⇒ http://mizro.blogspot.com/2012/10/blog-post.html
私と伴野さんも演奏参加。
この模様はYouTubeにupしよう。

朗読会はお開きとなり、そのまま打ち上げパーティーになったのだが、私は翌日の早朝から小梅小学校で音読授業があったので、お先に失礼して、新幹線に飛びのり、深夜に東京に戻った。

音読日めくり10月21日:岡本綺堂「半七捕物帳——お文の魂」

「音読日めくり」を更新しました。
今日の音読日めくりは、岡本綺堂「半七捕物帳——お文の魂」です。

今日のフォトは神社の絵馬です。
愛知県の足助八幡神社の境内で撮影させていただいたものです。