2013年1月9日水曜日

機嫌よくいることの大切さ

photo credit: pixel pro photography south africa via photopincc

機嫌がいい/悪いとはどういうことだろうか。
自分はどういうとき機嫌がよくて、どういうとき機嫌が悪くなるのだろうか。

それを検証する前に、まず、機嫌がよくないとどんなことが起こるのかかんがえてみる。
というのも、自分が機嫌がいい/悪い以前に、機嫌の悪い人間となにかしようとするとき、いろいろ支障があることが多いからだ。
だれもがそういう体験を持っているだろう。

たとえば、いっしょに仕事をする相手が機嫌が悪そうにしているとき、こちらはどうするだろうか。
まず、なぜ相手が機嫌が悪いのか、知ろうとする。
知ろうとしないまでも、とても気になる。
それ以上相手の機嫌が悪くならないように気を使ってしまう。
ものをたのむとき、相手の顔色をうかがってしまう。
心置きないものいいができず、仕事のコミュニケーションに支障が出てしまう。
つまり、仕事がはかどらない。

見かけだけでなく、実際に不機嫌な相手だと、支障はもっと顕著になる。
「○○さん、これお願いしてもいいですか?」
「えー? これ、おれがやんの? めんどくせえけど、しゃあねえな」
みたいな反応が返ってくる相手には、つぎからものをストレートに頼みにくくなる。

仕事でなくても、家庭や友だち付き合いや、プライベートな集まりなどでも、不機嫌な人がひとりかふたりいるだけでコミュニティの温度が低くなり、ものごとの進行がぎくしゃくとうまくいかなくなる。
これが自分自身であることに、人はしばしば気づかない。

自分が不機嫌になってしまっているとき、どれだけその場の空気を冷たくしているか、ものごとの進行をさまたげているかについて、しばしば気づかないことがある。
なぜなら、自分は不機嫌であることに一生懸命になっているからだ。


「不機嫌であることに一生懸命になる」ということはどういうことだろうか。
それはつまり、「だれかに自分のことをわかってもらいたい」という無意識のサインを懸命に出しつづけている、ということだ。
自分自身、そのことに気づいてすらいないことが多いのだが。

自分が不機嫌であることをだれかにわかってもらいたい、なにかつらいことがあって気分が沈んでいる自分をわかってもらい、尊重してもらいたい、不機嫌を装っている人間はそういうサインを出しつづけているといっていい。

たとえば、あなたはどんなときに不機嫌になるだろうか。
だれかに約束を守ってもらえなかった?
家族から軽んじられた?
仕事が思ってようにはかどらない?
政治家がバカばかりだと感じている?
お金がない?

あなたが不機嫌になっているのは、あなたが大切にしていることが損なわれたからだ。
そしてそれは「不機嫌になること」では決して解決しない。


逆説的ないいかただが、あなたが不機嫌になった原因を取り除き、それを解決して機嫌よくなるためには、まず「機嫌よくならなければならない」のだ。
機嫌のいい人間にしか他人はつながってくれず、問題解決の手を貸してくれず、またとらわれている不機嫌思考からのがれることもできない。
あなたがどんな状況であれ機嫌よくふるまっていれば、人はこころよくあなたに手を貸してくれるだろうし、悩みを聞いてくれたり、つながりをもってくれるだろう。
不機嫌なことがあったとき、不機嫌になってしまうのは戦略的にもっとも非効果的なのである。

では、現実問題として、どうすればいつも機嫌よくいられるのか。
これは一見、むずかしい問題のように思える。
しかし、答えは単純である。
「マインドフルでいること」
これが機嫌よくいるためのシンプルな回答だ。

マインドフルでいるということは、「いまここ」の自分自身に気づきつづけるということだ。
いま、この瞬間、自分の呼吸、身体、感じていることを感じつづけ、自分と世界のつながりに気づきつづける。
するとおのずと生きていることそのものの喜びがわいてくるだろう。

あなたを不機嫌にさせた仕事上のトラブルも、友だちからいわれた不快なことばも、いまこの瞬間ではなく過去の記憶のなかにあるものだ。
また、まだ起こってもいないことにたいする漠然とした不安も、頭の中で想像しているだけのもので、架空のものだ。
それをいまくよくよしていてもなんの解決にもならない。
いまこの瞬間にあなたにできるのは、いきいきと自分自身でありつづけ、いつでも最高のパフォーマンスでものごとに対処できるように全的に気づきつづけること。
それはおのずとあなたの機嫌をよくし、にこにこと明るいインターフェースをあなたにもたらすことだろう。

毎日、朝起きたら、マインドフルネスをこころがけ、まずは機嫌よく一日をスタートできるかどうか。
それがあなたの時間のクオリティを決定づける。
今日も一日、私とあなたがマインドフルにすごせますように。