2013年7月18日木曜日

マインドフルは疲れるという先入観?

現代朗読では、とにかく「いまここ」にいる自分自身の身体や感覚につながり、その意識でもって朗読したりいろいろなことをする「マインドフル」や「体認」の練習をする。
それに関して、比較的最近ゼミ生になった者から聞いた話。

プライベートな時間では時々マインドフルを意識して練習してみるのだが、職場ではなかなかそれを思いだすことができない。
しかも仕事中にそれをやろうとするととても疲れてしまう気がする、というのだ。

これは彼女にかぎらずよく聞く話なのだ。
マインドフルの練習をはじめたばかりの人は、「いまここ」という自分と自分がやっていること、自分のまわりのことに「気づき続けていく状態」を、とても疲れる、と感じることがある。
無理もないところもあって、私たちはふだん、そんなふうには生きていないので、ちがうやりかたで生きようとすると、最初はひどくむずかしく、疲れてしまうことがある。
また、疲れてしまう理由は別のところにもある。

気づき続ける状態は本当はとてもリラックスしていて、自分自身の内側の情報や外側からやってくる情報をただ「受け入れ続ける」「感じ続ける」だけなのでとても楽で気持ちがいいはずなのだ。
ところがまだしっかりとマインドフルネスができていないときは、ついついその情報を「取りに行こう」としてしまう。
「気づこう」という積極的な行動に「出かけて」しまうのだ。

出かける必要はなく、ただそこにいるだけでいい。
かんがえることをやめ、ただ感じることの練習をする。
自分の呼吸の観察からはじめ、鼻腔や気道を空気が出入りする様子、それが暖められたり湿度が変化したりする様子、胸やお腹が呼吸とともに動く様子、ただそれらを感じるだけ。
かんがえることをせず感じるだけができるようになると、あとはさまざまな情報が自然に自分のなかに流れこんでくる。
流れは流れつづけ、とどまることはない。
そのような感じかたができるようになれば、とても楽になるし、気持ちもよくなる。
きちんと練習すれば、マインドフルネスで疲れることはなくなる。