2014年3月31日月曜日

音読療法入門とミュージック・メディテーション・ライブ&セミナーが終わった

2014年3月31日、月曜日
午後2時から羽根木の家で「音読療法入門とミュージック・メディテーション・ライブ&セミナー」を開催した。

当日のキャンセルが何名か出て、参加者は少なかったが、ミュージック・メディテーションは私が個人的に力をいれているイベントで、おもしろいと推してくれる人もいる。

午後2時ちょっとすぎ、スタート。
最初のガイダンスと自己紹介のあと、まずは音読療法の呼吸法から。
音読療法は呼吸法、音読、共感的コミュニケーションという三本の柱があるのだが、今日は呼吸法、音読を体験してもらい、その間にミュージック・メディテーション(音楽瞑想)をいれるというプログラムだった。
ホールブレス、ストレッチブレス、ボトムブレスと、ひととおりやってリフレッシュしてもらう。
肩こりがあるという方がいたが、ストレッチブレスは肩こりに有効だ。

つづいて、ミュージック・メディテーションへ。
それぞれ楽な姿勢をとってもらい(みなさん寝転がった)、幸い寒くはない天候だったのでガスファンヒーターも一時的に止めた。
ミュージック・メディテーションは一種の瞑想で、通常の瞑想というとなかなか思考や雑念を手放せなくて苦労するのだが、音楽というガイダンスがあるとだれでも容易に思考・雑念を手放すことができて、瞑想状態にはいっていくことができる。
しかも私の場合、音楽は既成のものではなく、その場の空気を大切にする即興演奏なので、だれも知らない(私も知らない)メロディが流れる。

知っているメロディが聞こえると、人間は反射的に「あ、知っている曲だ」と、思い出・思考・雑念を呼びおこしてしまう癖がある。
しかし、知らない曲だとそれが起こりにくいのだ。
即興による瞑想音楽を演奏できる演奏家はそう多くないだろう。
だから私はミュージック・メディテーションを多くの人に体験してもらいたいと思っている。

瞑想のあとは言語思考の世界から離れるので、とっさに言葉が出てこず、一瞬ぼーっとしてしまう、という現象が起こる。
毎回そうなるのだが、今日もそうだった。

後半は音読両方の音読エチュード、ソマティック・リーディングをみんなで楽しく体験した。
音読エチュードは最初はやさしく、しだいに複雑になっていき、その過程で感覚が自然に開き、情報処理とコミュニケーション、表現がのびやかにできるようになるように作られている。
どなたも気づいたらイキイキと声を発して自分を表現できるようになっている。
評価や批判もなし。
自分自身を丁寧にあつかい、大切にし、そしてのびのびと表現するためのプロセスが準備されている。

今回は単発のイベントだったが、できれば継続的にやっていきたいものだと、終わってから思った。

参加者の感想:2級ボイスセラピスト講座

昨日の2級ボイスセラピスト講座に参加者が残してくれた感想です。

◎とってもわかりやすかったです。そして覚えやすく、すぐ実践できる所もよかったです。体験しながらなので強く覚えられる、残る、という感じがしました。

◎受けっぱなしではなく、誰かに対して使えるし、つながるためのツールとして、とてもいいな、と思いました。極めれば奥深いのだと思いますが、入口が簡単というのは重要だと感じました。自分自身、音読に最初は照れがありましたが、テキストがあることで、それに添う安心感があり、むしろ緊張や評価を気にせず自分の体のことに集中できるようになりました(マインドフルネス)。
共感的コミュニケーションを実践的に学べるのも魅力的だなあと思っています。6時間があっという間でした。ありがとうございました。

◎1日で今までの復習がまとめてできました! 質問もたくさんでき、かなりスッキリです。
特にまだまだ難しい共感的コミュニケーションもじっくり、一皮むけ。基本のきの呼吸法を人にやってあげるということで定着しそう。早速、身近ないろんな人に実践してみたいです。

4月の2級ボイスセラピスト講座は21日(月)に開催します。
詳しくはこちら

2014年3月30日日曜日

進学祝い、畑、ボイスセラピスト講座

一昨日。
一度咲いて、大満足だった三年越しのカトレア ‘Sakura’が、別の花芽をつけて二度咲きした。
よく見ると、三度咲き、四度咲きの花芽も控えている。
小さな鉢なのに、こんなに次々と咲くなんてうれしすぎる。
なにがよかったんだろう、検証してみよう。

紅子さんちの新一くんが北海道大学に合格したというので、野々宮とともにお祝いに行く。
というより、紅子さんは元々、野々宮の大学の同級生なのだが、私もなんとなくこの一家とは古くからの友だちみたいな感覚になっている。

新一くんは小学校六年生のときに、現代朗読協会が世田谷生活工房から依頼された展示会のオープニングパフォーマンスに出てもらったことがあって、そのときから数えると6年という歳月が流れたわけだ。
立派な高校生というか大学生に成長していて、うれしい。
新一くんといっしょにパフォーマンスに出演してくれて、お客さんの注目をかっさらっていた妹のはるひちゃんは、当時3歳だか4歳だったが、いまは小学3年生になっていて目を奪われるような美少女。
幸多い人生を祈りたい。

紅子さんの手料理が次々と出てきて、お祝いだか、こちらがもてなされているのかわからない状況で話がはずみ、4時半ごろに訪れたのが、気がつくと10時前。
はるひちゃんももう寝る時間をすぎているので、あわてておいとまする。
片付けも手伝わなくて恐縮。
今度は羽根木の家で逆おもてなしをしてさしあげたい、もしくは、札幌で新一くんに会いたい。

昨日は山田みぞれちゃんの初ワンマンライブ「虹色きのこ祭り」だった。
会場の〈七針〉は八丁堀といいつつ、茅場町が最寄りだったのだが、商店街の桜並木はもう満開に近いくらい咲きほこっていた。

今日は朝8時からトランジション世田谷・茶沢会の農業部会(?)の数人が来て、羽根木の庭で種まき。
雨降りだったが、幸いその時間だけ雨があがっていて、いろいろな種をまいた。
そのあと雨が降ってきたので、家にはいってくつろいでもらう。

そうこうするうちに10時になり、ボイスセラピスト講座の受講者が来たので、解散。
その後は私はボイスセラピスト講座をおこなう。
今日来られたひとりは音楽療法士の方で、NVCの講座も受けている。
午前、午後と通してみっちりとやり、最後はおふたりが好きなコーヒーをいれて、のんびりタイム。
音楽療法士の方が、ジャズの即興演奏に興味があるというので、ちょっとだけおまけの講義をした。

この三日間、とっても充実したが、コンテンツ制作の時間はまったく確保できなかったので、その点についてはフラストレーションがちょっとたまってしまった。
明日も「音読療法入門とミュージック・メディテーション・ライブ&セミナー」を羽根木の家で開催する。
詳細とお申し込みはこちら

山田みぞれ「虹色きのこ祭り」終了

2014年3月29日、土曜日。
現代朗読の仲間・山田みぞれの初ワンマンライブとなる「虹色きのこ祭り」が、八丁堀の〈七針〉で無事に終了。

私はピアノ演奏でサポート参加。
ほかにもマルチリード奏者の森順治さん、バイオリニストの池田陽子さん、コンテンポラリーダンスの政岡由衣子さん、現代朗読の野々宮卯妙、高崎梓も参加して、にぎやかな会になった。
お客さんもゼミ生や、元ゼミ生など、みぞれちゃんの個人的つながりのある人が多く、アットホームで楽しい雰囲気となった。

イベントのテーマが、みぞれちゃんの大好きな「きのこ」に絞りこまれていたのも、バラエティ豊かな演者をひとつの軸にまとめあげることに成功していたように思う。
チラシをはじめ、来場者にプレゼントするポストカードなどのかわいいイラストを、みぞれちゃんのご主人のたかさん(漫画家)が描いてくれ、これも大変好評だった。

演目は夢野久作、宮沢賢治、和辻哲郎などのきのこにまつわるテキストを配し、その朗読を音楽陣の即興演奏や身体表現で縫いあわせるという構成になっていた。
次から次へとユニークな表現が展開し、お客さんも楽しんでくれたと思うし、私も楽しませてもらった。
池田陽子さんとは初めての共演だったが、森さんも加わって即興演奏はスリリングだったし、ダンスとの共演も楽しかった。
〈七針〉のピアノが思いのほかよく鳴ってくれたのもありがたかった(調律は別として)。

予定した演目が終わってから1時間ばかり、お客さんを交えて打ち上げパーティー。
〈七針〉はなんと、客の持ちこみができる会場なのだった(ユニークだ)。
みなさん、けっこう残ってくれて、にぎやかになった。

撤収後は出演者を中心に近くの焼き鳥の店で、もう一度打ち上げ。
川に面し、しだれ柳や桜の花が見えるなかなか風情のある景色の店で、これはKATの手柄であった。
ここでひとしきり、ふたしきり盛り上がって、ようやく解散。
大変楽しい会だったが、これはみぞれちゃんのデビュー戦のようなものなのだった。
これを機に、彼女が朗読者としてさらに表現力を進展させ、今後さらに活躍してくれることを応援したい。

2014年3月28日金曜日

共感的コミュニケーション、今日は3コマ(ひとコマはママカフェ)

昨日は午前中からママカフェこと「お母さんのための音読カフェ」を、午後と夜には「共感的コミュニケーションの勉強会」を2コマ、開催した。
ママカフェはKAT、藤沢さん、野々宮の3人で運営、生後9か月と10か月の赤ちゃん連れのお母さんたちがいらしたので、羽根木の家の玄関脇の茶室が託児室になった。

私は終わりがけに行って、座敷の端のこたつで仕事しようとしたら、お母さんのところに連れもどされていた赤ちゃんが、ハイハイしながら私のこたつのほうににじり寄ってきて、こたつにつかまり立ちした。
私にニコニコ笑いかけるので、託児要員モードに切りかえた。
9か月の男の子・ゲンタくんとすっかり仲良くなって、だっこして庭を見せてあげたりした。
楽しかったな。

このママカフェ、助成事業としては今日が最後だったのだが、継続したいという思いがあって、しかしなかなかほかの人のサポートも得られず、負担が今日の3人にのしかかってしまっているので、無理な継続はむずかしい。
べつの助成金を申請するという計画もあるが、それよりボイスセラピストたちのサポートがあること、そして告知・衆知が行き渡って参加者が増えてくれることが、継続性の要件となるだろう。
子育て中のお母さんたちにとても貢献できるよい企画だと思うので、私もメンバーもぜひとも継続したいと思っているのだが、思いだけではなかなか大変だという実感もある。

午後は共感的コミュニケーションの勉強会・昼の部。
ゼミ生の夏美ちゃんが、知り合いをひとり誘って参加してくれた。
参加者はこのふたりだけだったので、こたつを囲んでじっくりやる。
夏美ちゃんの知り合いの若者・上原くんは理系男子ということで、共感的コミュニケーションの普及母体となっている音読療法協会では「客観性」「論理性」「実証性」を大事にしているという説明からはいり、共感的コミュニケーションの原理について論理的に解説してみた。
夏美ちゃんから「いつもと全然ちがう」といわれたが、私にはとても進めやすい方式だったし、上原くんもしっかり納得してくれたようだった。

具体的な事例についてもいくつか取りあげ、共感的コミュニケーションの威力について共感してもらえたようで、理解とつながりのニーズが満たせてうれしかった。

夜も共感的コミュニケーションの勉強会・夜の部。
こちらは5名の参加で、ひとりひとりの話とニーズをしっかり確認できる人数だった。
5名のうち3名が男性で、だんだん男性率が高くなっていくのが興味深い。
初参加はふたりで、ふたりとも会社員。
パートナーとの関係性、そして仕事における自分自身のニーズとのつながりについて検証してみる。
また、参加が3度めとなる若い女性の、仕事がつまらない、あるいは職場の人間関係の問題、そして自分自身の日々のニーズとのつながりについて、いろんな角度から検証してみた。

最後はいっしょに仕事をしているチームにおける手段レベルでの紛争は、ニーズレベルの共有が大切だというチーム・ビルディングの話になった。
2時間以上、予定時間をオーバーしてしまったが、とても濃い内容の勉強会になったように思う。
とはいえ、共感的コミュニケーションのまだごく入口をはいったあたりをひもといたにすぎないし、参加された方には日々の練習をしてもらいたいし、継続的に勉強してもらうことでより深い理解と高度なスキルを身につけていただきたい。

昨日来てくれた人のひとり、兼久須美子さんが主催する共感カフェが、4月16日(水)夜に横浜で開催されます。
詳細はこちら

2014年3月27日木曜日

爪がのびる、デンドロ、葉問、せっちゃん、韓氏意拳

最近やけに爪がのびるのが早いなと思ったら、ピアノの練習をあんまりしてなかった。
ピアノが置いてある羽根木の座敷が寒いからだ。
だいぶ暖かくなってきたので、ちゃんと練習しよう。

終わりかけのデンドロビウムを新代田の花屋〈ファースト〉で安売りしていたので、拉致してきた。
1,000円。

最近、実在していた中国拳法の伝説的な遣い手のイップ・マン=葉問の映画をつづけて3本観た。
といってもビデオだけど。
「グランド・マスター」「イップ・マン 葉問」「イップ・マン 葉問2」の3本。
どれもお金のかかった映画だったけれど、葉問が観たらどう思うんだろう。
個別の感想はまたあらためて。

昨日は、名古屋の親友のせっちゃんが上京して「ランチでも」というので、下北沢で合流。
出版とか音読療法とか共感的コミュニケーションとかマインドフルネスとか、話がはずんだ。
彼女はプロのプロデューサーなので、今後力強い存在になってくれそう。
明後日もこの件のつづきでまた会うことになった。

夜は韓氏意拳の稽古で中野まで行く。
写真の「ソフィー・マルソー」というのはなんだ?
謎だ。
それはともかく、今夜は女性がおふたりいらしたせいか、殺気立った雰囲気はゼロ。
「状態」があるなかで、全身が複雑に連動して協調するさまを感受する。
そのときは転体・重心転換がある。
といったことを、つぶさに注目しながらの稽古だった。


※内田秀樹準教練による韓氏意拳の「初級講習会@羽根木の家」の4月開催のお知らせ。
 女性の参加者が多く、参加しやすい雰囲気になっています。
 基本的に水城とつながりのある方にご案内していますが、興味がある方は気軽にお問い合わせください。
 ご案内と申し込みはこちらから

2014年3月26日水曜日

直近のもろもろのご案内

この月末から4月あたまにかけて、新規にスタートする講座やイベントがいくつかつづく。
備忘をかねてご案内させていただく。
今週のママカフェ、共感的コミュニケーションの勉強会、みぞれちゃんのきのこ祭り、2級ボイスセラピスト講座については割愛。

3月31日は「自分を助ける音読療法入門とミュージックメディテーションライブ&セミナー」を羽根木の家で。
これは昨日、このライブにいたる経緯をブログに流したが、ちょうど10年前に始めた「Into Your Mind」という私のディープなソロライブから始まったのだった。
これまで音楽瞑想は完全暗転のなかでおこなってきたのだが、今回は羽根木の家という古民家の座敷という環境で、完全暗転にできないので、どういうふうにやろうか工夫中。

4月1日は「板倉克行さん追悼ライブ」を中野〈Sweet Rain〉で。
20時スタート。
これ、あまり告知をしていないが、板倉克行さんと〈Sweet Rain〉にゆかりのある方たちが集まって、板倉さんを偲びながらジャムセッションをやることになるはず。
朗読も入れるはず。
飛び入り歓迎なので、どうぞいらしてください。

4月4日は現代朗読協会の「オーディオブック収録製作コース」が羽根木の家でスタートする。
全10回で、毎週金曜日の夜19時半から開催。
これは最近多い「オーディオブック(朗読本)を作りたい」という要望にこたえたもので、10回をとおして技術的なことはもちろん、音声表現の本質にも触れていこうという斬新な講座だ。
ただ、参加資格があって、「現代朗読基礎コース」の修了者もしくは現代朗読協会のゼミ生のみが参加できる。

4月5日の午前は「現代朗読基礎コース」の今期が羽根木の家であらたにスタートする。
全10回のコースで、毎週土曜日の朝10時半から。
このコースの修了者は7月から始まる(予定)「オーディオブック収録製作コース」や「ライブコース」に参加できるようになる。

4月5日の午後は「現代朗読ライブコース」が羽根木の家でスタートする。
これも全10回のコースで、毎週土曜日の午後、15時から。
6月の最終回のあとは、6月28日に明大前の〈キッド・アイラック・アート・ホール〉でおこなう現代朗読公演に、正式な演目のひとつとして出演していただく。

これらのコースは体験参加もできるので、いきなり申し込むのがためらわれるという人はまず体験してみてほしい。
以上、直近のイベントのご案内でした。

音読療法入門とミュージック・メディテーション・ライブ&セミナー開催

来週の月曜日、3月31日の午後2時から、標題のライブ&セミナーを開催する予定だ。
すでに何人かの方から参加のご予約をいただいているのだが、まだ参加枠に多少の余裕があるので、このライブ&セミナーについてちょっと説明しておきたい。

8年前、現代朗読協会が設立されたとき、活動の拠点は豪徳寺にある酒屋の倉庫みたいな地下スペースだった。
資金難から私はそこにしばらく住んでいたのだ。
足かけ5年くらい住んでいたかもしれない、さすがに身体をこわしそうになって、地上の部屋を借りた。

かなり広い地下空間だったので、片付ければちょっとしたライブもやれるほどだった。
音響もなかなかよかった。
実際、何度もライブをやっていて、多いときには60人以上入れたことがある。
それはさすがに窮屈だったが、30人くらいのライブは普通にやれたのだ。
いまかんがえるとけっこう使い勝手のいいスペースだった。

その地下室で私は一時、おもに自分の演奏表現の修行をかねて、ソロライブを月に一回くらい定期的にやっていたことがある。
これはたしか丸一年くらいつづいたはずだ。
「Into Your Mind」という、ちょっとストイックな感じの演奏会で、照明も絞って、お客さんも私も音に集中できるような環境をこころがけていた。

そのなかで、ウォルフィーくんという、いまも元気にしているはずだが、盲目のサックスプレイヤーをゲストに招いたことがある。
リハーサルのとき、彼に「照明どうする?」となにげなく聞いたところ、「どうせ見えないからどっちでもいい」という返事だった。
それはそうだな、と思ったが、いっそのこと真っ暗にして演奏してみてはどうだろうと思いついた。
ウォルフィーは暗闇でも演奏に支障ないし、私も真っ暗でもピアノを弾けることがわかっていた。
そこで、初めて、一曲か二曲だけだったと思うが、暗闇のなかで演奏してみた。

終わったら、聴いていた人たちからかなり大きな反応があって、ちょっとびっくりした。
なぜか泣いてしまった、という人もいた。
べつに泣けるような曲を演奏したわけじゃない。

そんなことがあって、現代朗読協会が酒屋の地下から、すぐ近所の地下音楽スタジオに拠点を移したとき、そこでも暗闇のライブを、今度は意識的にプログラムを作ってやってみることにした。
プログラムを作るにあたって参考にしたのは、ポーリン・オリヴェロスのワークショップだ。
これが「ミュージック・メディテーション・ライブ」のはじまりだった。

地下なので、完全な暗闇を作ることができる。
目をあけても、自分が目をあけているのか閉じているのかわからないほどの暗闇だ。
そして音楽スタジオだったので、防音もほぼ完璧だった。
即興のヒーリングミュージックの演奏と、最小限のことばによるガイダンスで、オーディエンスをメディテーション(瞑想)の世界へとみちびく。
これがかなりのヒーリング効果があることが、これまでの経験でわかっている。
が、うまく広報ができずに、開催してもなかなか人が集まらない状況がつづいていた。

今回、世田谷区の子ども基金の助成を「サークル・おひさま」が受け、それに協力する形で標題のイベントを開催することになった。
音読療法の呼吸法とミュージック・メディテーションをあわせた、体験型のライブ&セミナーになるはずだ。
参加者にも呼吸法だけでなく、実際に声を出してもらったりして、「表現療法」も体験してもらうことになっている。
ミュージック・メディテーションでたかまった感受性のなかで自分の声による表現を体験するのは、日常生活のなかではなかなか得られない感じだと思う。

託児もできるので、子ども連れの方もぜひ気軽に参加してみてほしい。
イベントの詳細と申し込みはこちらから

あいぶんこ朗読ポッド Vol.72

下北沢〈レディ・ジェーン〉で2014年3月16日におこなわれた「ののみずじゅんライブ」の模様を何回かにわたって抜粋してお届けしましたが、これが最終回です。
出演は現代朗読の野々宮卯妙、ピアノの水城ゆうに加えて、特別ゲストとしてマルチリード奏者の森順治さんをお迎えしました。

ライブの最後の演目は夏目漱石の『夢十夜』から「第十夜」です。
森順次さんはアルトサックスを吹いて(?)います。
視聴はこちら(下の画像をクリック↓)
※4月22日(火)夜の渋谷にて、超絶ディーヴァ・酒井俊、即興ロードク力・野々宮卯妙、リリカルマジカルなピアニズム・水城ゆうによるライブ公演開催。現代朗読パフォーマーたちによる迫力の群読も必見。
 ご案内はこちら

2014年3月25日火曜日

純粋な貢献のニーズと義務感

photo credit: Photo Extremist via photopin cc

げろきょこと現代朗読協会は共感的コミュニケーションを運営ベースとしている。
主宰者は私だが、私は現代朗読協会という「いれもの」のありようや方向性をしめすだけで、そこに君臨するというようなことはない。
指導するということもない。
参加者全員の自主性とニーズを大切にし、お互いに尊重しあう場となっている。
だから、だれもが安心して自由に表現活動をおこなうことができる。
ここには評価も批判も非難もない。

げろきょネット告知隊という、みずから告知活動の手伝いを申し出てくれた何人かのグループがある。
広報資金もない現代朗読協会にとって、無料で告知ができるインターネットは大変ありがたい存在なのだが、あちこち告知を出そうとすると手間がかかる。
それを手分けしてやってくれている人たちがいるのだ。

その人たちに向けて、今日はこんなメッセージを出した。
自分の仕事がとどこおっていることについて「ごめんなさい」といっている人がいたからだ。

——————
ネット告知隊のみなさん。
いつもサポートをありがとう。とっても助かってます。
サポートしてもらうこと、尊重してもらうこと、つながりを持つこと、こういったことのニーズが満たされます
今日は前からちょっと気になっていたことについてひとこと。
自分が受け持った役割とか仕事が決まっていて、それをみなさんがやってくれているわけですが、そのときけっして「義務」としてやってほしくないんです。
もし義務感を感じたら、その仕事はしなくていいです。
もし自分の仕事ができなかったとき「申し訳ない」「ごめんなさい」という言葉が出てきたとき、自分のなかに義務感が生まれてないかどうかチェックしてください。
——————

あることを「やらなければならない」という気持ちでやるとき、その奥には義務の気持ちが生まれている。
義務はどこから来ているかというと、「やらねば」「やってあげる」と「やってもらっている」「やってもらいたい」という人間の関係性からやってくる。
この関係を私は現代朗読協会に持ちこみたくない。
もっといえば、すべての人間関係に持ちこみたくない。

自分がこころから楽しく、相手(この場合は現代朗読協会だったが)に貢献したい、やりたいと思えるときだけ、それをやってもらいたい。
自分に現代朗読協会が必要で、そこにつながっていること、活動と運営が継続することが大事であることが見えているときだけ、仕事をしてほしい。
そう思っている。

(まとめ)あいぶんこ朗読ポッド Vol.66〜70

今日は「あいぶんこ朗読ポッド」のVol.71を配信しました。
これまで配信したVol.66からVol.70は以下のリンクからご覧ください。
お見逃しの方はこの機会にぜひどうぞ。

 Vol.66 〈ウェルバ・ムジカ〉デビュー戦より日本国憲法の抜粋パフォーマンス
 Vol.67 「ののみずじゅんじ」ライブより「Death Flower(死の花)」
 Vol.68 「ののみずじゅんじ」ライブより「砂時計」
 Vol.69 「ののみずじゅんじ」ライブより「洗濯女」
 Vol.70 「ののみずじゅんじ」ライブより「僕はスポーツ」

Vol.61〜65のまとめはこちら
Vol.1〜60のまとめはこちらのリンクから。

※4月22日(火)夜の渋谷にて、超絶ディーヴァ・酒井俊、即興ロードクカ・野々宮卯妙、リリカルマジカルなピアニズム・水城ゆうによるライブ公演開催。現代朗読パフォーマーたちによる迫力の群読も必見。
 ご案内はこちら

あいぶんこ朗読ポッド Vol.71

下北沢〈レディ・ジェーン〉で2014年3月16日におこなわれた「ののみずじゅんライブ」の模様を何回かにわたって抜粋してお届けしています。
出演は現代朗読の野々宮卯妙、ピアノの水城ゆうに加えて、特別ゲストとしてマルチリード奏者の森順治さんをお迎えしました。

セカンドステージから水城ゆう作「失われし街」です。
森順次さんはバスクラリネットを吹いています。
視聴はこちら(下の画像をクリック↓)
※4月22日(火)夜の渋谷にて、超絶ディーヴァ・酒井俊、即興ロードク力・野々宮卯妙、リリカルマジカルなピアニズム・水城ゆうによるライブ公演開催。現代朗読パフォーマーたちによる迫力の群読も必見。
 ご案内はこちら

2014年3月24日月曜日

あいぶんこ朗読ポッド Vol.70

下北沢〈レディ・ジェーン〉で2014年3月16日におこなわれた「ののみずじゅんライブ」の模様を何回かにわたって抜粋してお届けしています。
出演は現代朗読の野々宮卯妙、ピアノの水城ゆうに加えて、特別ゲストとしてマルチリード奏者の森順治さんをお迎えしました。

セカンドステージから水城ゆう作「僕はスポーツ」です。
森順次さんはフルートを吹いています。
視聴はこちら(下の画像をクリック↓)
※4月22日(火)夜の渋谷にて、超絶ディーヴァ・酒井俊、即興ロードク力・野々宮卯妙、リリカルマジカルなピアニズム・水城ゆうによるライブ公演開催。現代朗読パフォーマーたちによる迫力の群読も必見。
 ご案内はこちら

2014年3月23日日曜日

あいぶんこ朗読ポッド Vol.69


下北沢〈レディ・ジェーン〉で2014年3月16日におこなわれた「ののみずじゅんライブ」の模様を何回かにわたって抜粋してお届けしています。
出演は現代朗読の野々宮卯妙、ピアノの水城ゆうに加えて、特別ゲストとしてマルチリード奏者の森順治さんをお迎えしました。

セカンドステージから水城ゆう作「洗濯女」です。
森順次さんはアルトサックスを吹いています。
視聴はこちら(下の画像をクリック↓)
※4月22日(火)夜の渋谷にて、超絶ディーヴァ・酒井俊、即興ロードク力・野々宮卯妙、リリカルマジカルなピアニズム・水城ゆうによるライブ公演開催。現代朗読パフォーマーたちによる迫力の群読も必見。
 ご案内はこちら

基礎コース最終回、共感的コミュニケーション、野上先生の韓氏意拳

今日は「現代朗読基礎コース」全10回の今期最終回だった。
これまでの感想や疑問点、気になっていることなどを最初に聴かせてもらう。
演劇と朗読の違いについての確認があったので、その点について解説すると同時に、朗読という表現行為が持つまだ知られていない可能性について伝えた。
ほかにも、「純表現衝動」と、表現した結果生じる他者の「反応/評価」の関係、それとどう付き合うか、自分の表現を濁らせないためにはなにが必要なのか、といったことについても、あらためて確認。
みなさんがいずれもとても熱心に理解を深めて、意見交換できたのが私には手応えがあり、うれしかった。

さらにうれしいことに、今期の基礎コースに新規で参加してくれた(ゼミ生以外の)人のほぼ全員の4人が、継続的に現代朗読をやりたいということでゼミ生に加わってくれた。
ゼミ生になれば、現代朗読協会主催のほとんどのゼミ、講座、ワークショップに自由に参加できるので、表現の学びもさらに進むことと思う。
そうやっていっしょに学んでいる仲間とライブや公演や、ネット番組を作れるのが、私にとってはとても幸せなことだ。

終わってから、参加者の山浦さんが最終回ということで差し入れてくれた「まゆ最中」(まゆさいちゅうじゃないよ)をいただきながら、みんなでお茶タイム。


昼食のパンを買いに外に出たら、羽根木の家の玄関先のあんずが五部咲きになっていた。


午後は共感的コミュニケーションの勉強会。
少人数でアットホームな雰囲気ながら、濃密にやる。
自分を規定してしまうこと、他人にラベリングしてしまうこと、それらをどうやって克服し、共感していけるのかについて、具体的な方法を使って検証したりした。
ほかにも、手帳術というか、書きながら練習する方法についても解説。


夜は中野まで出かけて、岡山から来られた野上明宏教練による韓氏意拳の講習。
初級教程のなかで最後にある基礎拳法訓練から逆順にやってみよう、ということで、定歩崩拳の解説からはいったのだが、練習体系はそこにあらゆるものがシステマチックにつながっているということがあらためて理解できて、おもしろかった。
通常やっている形体訓練や站椿がどのように「拳法」につながるのかというのは、1年近くやってきてだいたい理解できたような気がしているが、いつもと違ったアプローチで教えてもらうとそれがさらに明確になって、稽古の方向性が見えたような気がして有意義に感じた。

2014年3月22日土曜日

あいぶんこ朗読ポッド Vol.68

下北沢〈レディ・ジェーン〉で2014年3月16日におこなわれた「ののみずじゅんライブ」の模様を何回かにわたって抜粋してお届けしています。
出演は現代朗読の野々宮卯妙、ピアノの水城ゆうに加えて、特別ゲストとしてマルチリード奏者の森順治さんをお迎えしました。

ファーストステージから水城ゆう作「砂時計」です。
森順次さんはフルートと、途中からアルトサックスに持ち替えています。
視聴はこちら(下の画像をクリック↓)
※4月22日(火)夜の渋谷にて、超絶ディーヴァ・酒井俊、即興ロードクカ・野々宮卯妙、リリカルマジカルなピアニズム・水城ゆうによるライブ公演開催。現代朗読パフォーマーたちによる迫力の群読も必見。
 ご案内はこちら

共感的コミュニケーションは日々練習あり

私も日々、共感的コミュニケーションを勉強し、練習する者だが、羽根木の家やカフェなどで何度か勉強会をおこなって気づくのは、日々の練習の大切さだ。
共感的コミュニケーションの原理は非常にシンプルで、2時間くらいの勉強会でたいていの人にだいたい理解してもらうことができるが、だからといってそのまま使えるようになるとはいいがたい。
私自身、共感的コミュニケーションのベースとなっているNVC(Nonviolent Communication)に接して以来7年がたち、ずっと学びつづけ、勉強会も開催し、そしてなにより私の場合はそれについてかんがえたり感じたりしたことを「書く」という行為をつうじて深めつづけてきたつもりだ。
それでもまだまだ身についていないと感じるし、コミュニケーションはもっと奥の深い学びがあると実感している。

勉強会に来てくれた人でもったいないのは、一回きりで来なくなってしまう人や、数回来ただけでわかったつもりになってそれ以上深めようとしない人だ。
私は公認トレーナーではないので教えるというより、学びのサポートをする、あるいは学び方や練習の方法・材料を提供するという立場にいると思っている。
私なりに工夫した材料や練習の方法をたくさん提供できるし、これも日々更新しているので、勉強会にはなるべく機会をとらえてくりかえし来てほしいのだ。

もちろん、共感的コミュニケーションを学び、自分なりに理解した人は、それを別の人に伝えてくれるというのは歓迎だし、そうやって広まっていくのは私も望んでいる。
しかし、自身もまた同時に学びを深めながらやってほしいと思うのだ。

共感的コミュニケーションの学びのなかには「学びの姿勢を学ぶ」という面もあるように思う。
私が見てきた国際公認トレーナーのすべてが、教えると同時に自分も学ぶという謙虚な姿勢を持っていた。
これは共感的コミュニケーションにかぎったことではなく、死ぬまで成長をつづける存在である人間にとって大切なことではないだろうか。

※3月の羽根木の家での共感的コミュニケーション勉強会は22日(土)と27日(木)に開催します。
 今日もあります! 午後2時から。
 ご案内と申し込みはこちらから

2014年3月21日金曜日

蘭の花が次々と咲く、包丁研ぎ、オンラインゼミ

そう多いわけじゃないけど、何鉢かある蘭の花がつぎつぎと咲いて楽しい。
先月、世界らん展で買ってきたデンドロビウム系の小さなものがあるのだが、これはすでに花芽をつけている状態で連れて帰った。
それが咲いて満開になったのだが、思ったよりはるかにゴージャスな感じに咲いてびっくりした。
真っ白な花で、きれい。
写真で見ると大きそうに見えるが、実際には全体でも直径10センチくらい。

数日前、すごいのが咲いた。
「テリミトラ・マクロフィラ・メルテオキリウム」という名前で、テリミトラという蘭の系統は別名サンオーキッドと呼ばれるくらい太陽が好きな種類で、インドネシアからオセアニアにかけて自生している。
これを去年の春、球根から芽が出たものをオンラインで買ったのだが、しばらくして枯れてしまって、跡形もなくなってしまっていた。
鉢にいれたままほったらかしにして、水もやらなかったのだが、それがなんとこの年明けに芽が出てきて、さらには花芽までつけたのだ。
まさかと思ったら、花を咲かせた。
これがまあ、不思議な花で、目を奪われる。

花弁が6枚、花は小さく、直径1センチちょっとくらい。
まんなかの雄しべと雌しべの造形がおもしろい。
室内なので日照もあまりなく、よく咲いたものだ。

そしてこれは一昨年から育てているカトレアの一種が、今年もすでに一輪、立派に咲き終わったところだったが、ふと見るとほかにも花芽が数カ所、まだ育っている。
これからまだいくつか咲いて楽しませてくれそうだ。

今日はそんな植物の世話のあと、台所の掃除と包丁研ぎをする。
そのあと料理をしたが、ネギがさくさく刻めて気持ちがいい。

夜ゼミはオンラインゼミ。
Google+のHangout機能を使って、奥田くんと晩さんの3人でビデオチャット。
家にいながらにして気楽に参加できる。
みんなもっと利用してくれればいいのになあ、これ。

あいぶんこ朗読ポッド Vol.67


下北沢〈レディ・ジェーン〉で2014年3月16日におこなわれた「ののみずじゅんじライブ」の模様を何回かにわたって抜粋してお届けしています。
出演は現代朗読の野々宮卯妙、ピアノの水城ゆうに加えて、特別ゲストとしてマルチリード奏者の森順治さんをお迎えしました。

ファーストステージから水城ゆう作「Death Flower(死の花)」です。
森順次さんはバスクラリネットを吹いています。
視聴はこちら(下の画像をクリック↓)
※4月22日(火)夜の渋谷にて、超絶ディーヴァ・酒井俊、即興ロードクカ・野々宮卯妙、リリカルマジカルなピアニズム・水城ゆうによるライブ公演開催。現代朗読パフォーマーたちによる迫力の群読も必見。
 ご案内はこちら

広尾病院でピアノコンサート決定、現代朗読ゼミ、体認のエチュードがめざしているもの

都立広尾病院から電話がかかってきて、ピアノコンサートをやることになった。
まだ7月以降ということだけで、日にちは未定だが、楽しみだ。
夏ごろになるなら、夏の歌曲をオリジナルアレンジと即興演奏でやることになるだろう。

昨日は現代朗読の朝ゼミと昼ゼミを開催。
朝ゼミでは最初に、私が最近はじめたかぎ針編みの師匠であるKATが参加したので、それにつられてみんなで手芸部活動が始まってしまった。
まあそれはそこそこにして、やはりしっかり基礎訓練。

5月4日に京都・法然院で現代朗読公演をやることになっていて、そこで群読パフォーマンスをおこなう予定がある。
何人か出演してもらうのだが、それにもう数名メンバーを加えて、4月22日に酒井俊さんとやる渋谷の〈サラヴァ東京〉でのライブにオープニングアクトとしておなじ群読パフォーマンスをやってもらおうと思いたった。
そこで、ゼミでも群読のための体認のエチュードに力をいれている。

現代朗読では「なにをどう読むか」ということより、「自分がどう読めるのか、どう読みたいのか」という表現のど真ん中の部分にアクセスしていく感受性と身体性を養うために、体認のエチュードという稽古を重要視している。

朗読は伝達の側面と表現の側面がある。
現代朗読は表現としての朗読を追求している。
自分が生きて、ここにこうしてある、そのありようを表現する、それが朗読にかぎらず、すべての表現行為だ。
音楽も美術も文学もダンスも、すべて自分の存在・命を表現することが目的だ。

朗読において自分自身の存在や生命、活力、ユニークさ、「いまここ」のありようを表現するためには、どうしても朗読者がその部分(生命存在の核の部分)にアクセスし触れていく必要がある。
体認のエチュードはそのためにある。

最初は自分の身体のことがよくわからない、身体の声なんか聞こえない、という人がほとんどだ。
そこからスタートして、すこしずつ自分の身体性の感受ができるようになり、身体の深い部分からの欲求やわずかな「きざし」に耳を傾け、自由で多彩な表現をおこなう手がかりにつながっていけるようになる。
最終的には「フロー」といわれる状態に進入し、自分の存在そのものをに素手で触れていくようななかで表現をおこなう、という目標がある。

そして体認の稽古は、結果的に表現のクオリティを劇的に変化させるという経験と結果がある。
「へた」「しろうとくさい」などといわれていた朗読者が1年もたてば、ステージの上で堂々たる表現者としてふるまっているのを見るのは、主宰の私としても誇らしくうれしいものだ。


※4月5日(土)18:00-20:00に現代朗読体験講座を開催します。築79年の古民家〈羽根木の家〉にて。これから朗読をやってみようという方はもちろん、ベテランの方にもおすすめ。
 ご案内と参加申し込みはこちら

※現代朗読基礎コース全10回が4月5日からスタートします。これを受けてオーディオブック収録製作コースやライブコースにも進むことができます。
 ご案内と参加申し込みはこちら

2014年3月19日水曜日

集中と感受が深まった韓氏意拳の稽古

 今夜は中野まで韓氏意拳の稽古に行ってきた。

朝ご飯しか食べていなかったので、北口のサンロードの立ち食い(じゃないけど)の店でうどんを食べて腹ごしらえ。
ちょっとだけ時間があったので、本屋に寄って、かぎ針編みの本を物色したが、いまいちピンと来るものがなかったので、新井区民活動センターに行く。

今日は非常に濃い内容の稽古だった。
平歩站椿などの稽古でおこないが内在化してしまうことの問題、内在化することによって手順や方向性、対象に気を取られてしまう問題、意志、思考、意図ではなく、身体が教えてくれる「意」のきざしをとらえることのむずかしさなどを、つぶさに練習し、教えてもらった。
そのためには、状態にはいりながら身体の整いを「待つ」ということが必要になる。

これまでの稽古でやっていたことからさらに深層へと深まっていくような感じで、その分、集中も必要になる。
自分の身体の声を聴いたり、状態に注目したりといったことを深化させるための方向性が、不完全ながら見えたような気がして、大変興味深くおもしろい稽古をさせてもらった。
それにしても深い集中の持続する2時間半、さすがに疲れた。

帰りはいつものことながら、山手線、井の頭線と、平日の午後10時すぎの満員電車だったが、全然気にならなかった。

あいぶんこ朗読ポッド Vol.66

中野〈Sweet Rain〉で2014年2月22日におこなわれた〈ウェルバ・ムジカ〉のデビュー戦の模様を何回かにわたって抜粋してお届けしています。

セカンドステージのエンディングのパフォーマンスは、日本国憲法から抜粋した朗読です。
朗読、野々宮卯妙、山田みぞれ、照井数男。ダンス、政岡由衣子。
楽器陣はピアノ・水城ゆう、ベース・日野了介、ドラムス・今竹一友です。

視聴はこちら(下の画像をクリック↓)
※4月22日(火)夜の渋谷にて、超絶ディーヴァ・酒井俊、即興ロードクカ・野々宮卯妙、リリカルマジカルなピアニズム・水城ゆうによるライブ公演開催。現代朗読パフォーマーたちによる迫力の群読も必見。
 ご案内はこちら

共感的コミュニケーションの勉強会における私のニーズはなにか

外出から帰ってきて、いまになって花粉症の症状が出てきてツライ(あわてて薬を飲んだけど)。

今夜は神楽坂の温熱鍼灸治療院〈エコパオ〉での共感的コミュニケーションの勉強会「共感カフェ」だった。
古民家を改装した大変すてきな治療院で、かつて待合室だったスペースがカフェになっていて、そこで治療院の杉田さんご夫妻が主催していただいて開催の運びとなった。

午後6時半すぎにうかがうと、すでに参加者の若い女性がひとりいらしていて、ちょっと話をする。
その後、午後7時のスタート時までに続々といらして、定員いっぱいの8名の方が参加。
杉田夫妻と私、野々宮をいれると12名ということになった。

杉田さんたち以外は共感的コミュニケーションに初めて接する方たちばかりだったので、まずはその原理・考え方とプロセスを説明するところから。
すると予定された2時間はいかにもみじかい。
後半のペアになっての実践セッションでは充分に理解が行き届いていないのをかんじたりして、ひさしぶりにちょっとあわててしまった。
多少なりともみなさんにパワフルな共感スキルの魅力を伝えられただろうかと心配している。

さいわい、終了後に杉田さんたちとゆっくり話す時間が持てて、今回不備だったことをフォローさせてもらえる機会をいただけることがわかったので、ちょっと安心した。
しかし、かんがえてみれば、私の共感的コミュニケーションの勉強会は、内容を深めるというより、初めて接する方にわかりやすく伝えることを主眼においてきた面があるので、短時間でやる内容の不備を感じてしまう。
あらためて勉強会における私自身のニーズはなんだろう、とかんがえてしまった。
これをはっきりさせないままつぎに進むことは、私にとって自分をないがしろにすることになってしまうような気がする。

参加者のニーズや主催者のニーズは可能なかぎり聞くようにしてきたが、肝心の私のニーズを自分自身が聞いてこなかったなと気づく。
今後の共感的コミュニケーション勉強会や共感カフェのありかたについて検証しなおすよいきっかけになった日となった。

※3月の羽根木の家での共感的コミュニケーション勉強会は、3月22日(土)15時からと、3月27日(木)に開催します。27日の昼の部は15時から、夜の部は19時からです。
 ご案内はこちら

2014年3月18日火曜日

「マインドフルな毎日」と共感的コミュニケーション

今年2014年の元旦からあたらしいブログ「マインドフルな毎日」( http://otohi.blogspot.jp )の毎日連載をスタートさせて、やがて80日になろうとしている。
今日で78日め。
いまのところ、一日も欠かさずに書きつづけている。

おおかたの人が想像するようにある程度まとめて書きためておいて毎日小出しにする、というようなことはしていない。
毎日一記事、早朝に配信しているので、前日のうちに書いておく。
しかし、書きためておく、ということはしていない。
その日その日の自分の状態、「いまここ」にある自分の感じ、マインドフルネスをこころがけながら書きたいので、そのようにしている。

これは私にとってもマインドフルネスの練習というか、修行でもある。
マインドフルに生きたい、マインドフルネスを深めたい、自分の「いまここ」にいつもつながり、気づきつづけながら人生をまっとうしたい、というニーズがあるので、修行ともいえるこの連載がつづけられているのかもしれない。

また、マインドフルネスの質を高めたその先にある状態に「フロー」と呼ばれるものがある。
これはひと前でパフォーマンスをおこなう者なら、スポーツマンであれアーティストであれだれもがめざす境地で、自分の持っているポテンシャルを最高に引きだして表現するための境地でもある。
これにいたるためには、どうしてもマインドフルネスの質を最高度まであげていく必要がある。

マインドフルネスにはもうひとつすばらしいことがある。
それは、いつも自分自身のありように気づきつづけることによって、自分がなにを必要としているのか、どういうニーズがあるのかが明確になり、自分のすすむべき方向が非常にクリアになる、ということだ。
これはまさに共感的コミュニケーションでいう「自分のニーズに深くつながる」ということでもあり、毎日の生活や自分の人生をクリアにし、イキイキと生きこなしていくことの大きな糧にもなる。

共感的コミュニケーションがベースにしているNVC(Nonviolent Communication)においても、トレーナーたちはしばしばマインドフルネスを口にする。
私はさらにそれを進めて、日本人が肌でなじんでいる仏教・神道的感覚にもつながる「気づき」の状態を練習することで、共感的コミュニケーションの学びを深めてもらえるのではないかとかんがえている。
このところ、私独自の共感的コミュニケーションのスキルアップする道すじとして皆さんに伝える方法が具体的に変化しつつあって、意識的にはおこなってこなかったのだが、このあたりできちんと整理して意識的にマインドフルネスを共感スキルに結びつける練習方法を伝えてみたいと思っている。
共感スキルを身につければ、だれもが自分の人生を本当の自分自身として生きることができるようになる。

※3月の羽根木の家での共感的コミュニケーション勉強会は、2月22日(土)15時からと、2月27日(木)に開催します。27日の昼の部は15時から、夜の部は19時からです。
 ご案内はこちら

あいぶんこ朗読ポッド Vol.65

中野〈Sweet Rain〉で2014年2月22日におこなわれた〈ウェルバ・ムジカ〉のデビュー戦の模様を何回かにわたって抜粋してお届けしています。

セカンドステージのパフォーマンスから。
水城ゆう作「あめのうみ」を野々宮卯妙が朗読、ダンスは政岡由衣子。
楽器陣はピアノ・水城ゆう、ベース・日野了介、ドラムス・今竹一友です。

視聴はこちら(下の画像をクリック↓)
※4月22日(火)夜の渋谷にて、超絶ディーヴァ・酒井俊、即興ロードクカ・野々宮卯妙、リリカルマジカルなピアニズム・水城ゆうによるライブ公演開催。現代朗読パフォーマーたちによる迫力の群読も必見。
 ご案内はこちら

2014年3月17日月曜日

〈Stay Happy〉で共感カフェの打ち合わせ、共感的コミュニケーションのこと

先週3月12日(水)の夜、下北沢の旅カフェ〈Stay Happy〉で初めての共感カフェを開催したが(そのレポートはこちら)、定期的に開催したいということで、今日、その打ち合わせに行ってきた。
うまい具合に(店にとっては残念なことに(笑))お客さんがすくなかったので、オーナーのKuratoさん、Sachiさんのふたりとゆっくり話ができた。

共感的コミュニケーションではお互いのニーズ(大切にしていること、価値、必要性など)を尊重することが大事だが、今日はKuratoさんが大切にしていること、Sachiさんが必要としていることをゆっくりと聞かせてもらうことができた。
またおふたりにも、私が大切にしていることを伝えることができた。

カフェ経営のような不特定多数のお客さんを相手にするような仕事では、さまざまな対人トラブルが起こることがある。
それに対処する方法として共感的コミュニケーションは大変有効なスキルだと思う。
客商売でなくても、対人援助職(教師、介護職、医者、看護師、療法士など)にある人にとっても、非常に役立つスキルだろう。
もちろん私自身、ひと前に立って講義したり、伝えたり、表現したり、といったチャンスが多い人間だが、ものすごく役に立っている。
これがないといまやどうしていいかわからないくらいだ。
多くの人に共感的コミュニケーションを知ってもらい、共感スキルを身につけてもらいたいと思っている。
日々の自分の行動や意識がとてもクリアになるし、人を恐れなくても大丈夫になるし、イキイキと自分らしく生きられるようになる。
そういう人が増えてくれれば、私もたすかるし、安心できるのだ。

〈Stay Happy〉での次回共感カフェは、5月14日(水)夜に開催することが決まった。

以下、共感的コミュニケーションに関係する直近のイベントをまとめてみた。
興味がある方はどうぞ気楽にご参加ください。

 3月の共感的コミュニケーションの勉強会(3/22,27)
 2級ボイスセラピスト講座(3/30)
 (ボイスセラピー=音読療法は共感的コミュニケーションを重要な柱のひとつとしています)
 子どもを伸ばす共感スキル講座(4/11)
 社会人のための共感スキル講座(4/19)
 カフェ・オハナ(三軒茶屋)で共感的コミュニケーション(4/21)

下北沢〈レディ・ジェーン〉での奇妙ですばらしいライブの夜

2014年3月16日、夜。
下北沢〈レディ・ジェーン〉で現代朗読の野々宮卯妙とマルチリード奏者の森順治さんと3人でライブをおこなった。

18時すぎ、店入り。
準備といってもとくにすることはない。
ちょっとピアノを触って調子を見てから、タッチをなじませる。
野々宮と森さんもやってくる。
とくにリハーサルもなし。
森さんにライブのコンセプト「狂気と笑い」を伝える。

開演時間になってもお客さんが全然来ないので、森さんとふたりでカウンターで酒を飲む。
森さんがバーボンを、私はアイリッシュ・モルトを一杯。
バーテンダーと3人で酒談義。
それにしても、私が飲んだアイリッシュは強烈な風味だった。
名前を忘れてしまった(写真を撮っておけばよかった)。

お客さんがいないけど、音出ししようということになり、3人でちょっと遊びはじめる。
野々宮が最初、朗読ではなくボイスでからんでみた。
そのあと、朗読もやったが、まったく違う感じになっておもしろかった。
朗読のほうがはるかに大変で、むずかしい、という感想だった。

そうこうするうちに、お客がやってきた。
見ると、私の子どものころからの同級生の勝浦くんではないか。
こっちに仕事で来るという話は聞いていたが、まさかライブに来てくれるとは思わなかった。
びっくりしたが、うれしかった。
ほかにも、知り合いではないが〈レディ・ジェーン〉に一度来てみたかったという人とか、終盤にはお客さんやらオーナーの大木さんやらがやってきた。

終わってから勝浦くんとゆっくり話したり、さらに大木さんと(ほとんど初めてかも)ゆっくり話すことができた。
大木さんと話しているとき、勝浦くんが私の同級生だということから、生まれ故郷の勝山市の話になり、大木さんは勝山に何度か行ったことがある、ということを聞いた。
勝山で開業していた医者の中上先生と縁があり、自宅に何度か行ったことがあるのだという。
そしてその息子(いまは東京で医師をしているらしい)は〈レディ・ジェーン〉の常連だという。
息子?

中上先生の息子というと、私が学生のとき、彼が中学生か高校生で、頼まれて何度か家庭教師したことがあるぞ、ということを思いだした。
その話をしたら、大木さんが息子に電話をかけ、私も直接彼と話をすることができた。

昨夜のライブをきっかけに、幼なじみの同級生は来るわ、大木さんが勝山と縁があることを知るわ、中上の息子と電話で話をするわで、何十年という時間を超えて交錯する縁が集まって、非常におもしろく、また奇妙にも感じた。

ライブ自体も、大変楽しくやらせていただいた。
森さんの演奏はすばらしく、こういう人といっしょにやれるということに最高の幸せを感じたし、ピアノとサックスの緊密なコミュニケーションにまったくひるまず対等に渡り合える野々宮の朗読にも、あらためて可能性を感じた。
またやりたいな。
またこのユニットで、そして〈レディ・ジェーン〉でやりたい。
今度はもうすこしお客さんに来てもらえるように、プロモーションをがんばろう。

※野々宮も講師をつとめる現代朗読基礎コース全10回が4月5日からスタートします。
 ご案内はこちら

羽根木の庭をコミュニティガーデンにする計画、始動

今日は午前中からトランジション世田谷茶沢会の仲間が羽根木の家に来て、庭で畑作りのキックオフ会。
何年か前から羽根木の庭を共同の畑にしようという計画が持ちあがっていたのだが、ようやく実現した。
スコップと鍬、米ぬかの肥料などが持ちこまれ、みんなで庭を耕して畑作り。
今日はまだ作物を植えることはしなかったが、2週間後にまた集まって種や苗を植えることになっている。
これは「朝活」として時々集まって畑仕事をしたり、羽根木で勉強会を開いたり、といったことをしたいね、という話で、楽しみだ。

畑仕事のあとは環七沿いのラーメン屋〈バサノバ〉にみんなで行って、ラーメンを食べる。
帰りにパン屋でパンとコーヒーをゲットし、ふたたび羽根木の庭にもどってお茶タイム。
天気がよく、のんびりした時間だった。

すこし昼寝。
すこし仕事して、夕方、ライブのために下北沢〈レディ・ジェーン〉向かう。
途中、編み物の店〈パピー〉に寄って、いくつか糸を買う。

18時すぎ、〈レディ・ジェーン〉入り。
そして「奇跡のライブの夜」が始まった(つづく)。

2014年3月16日日曜日

基礎コース9回め、手芸部、バベットの晩餐会

昨日の午前中は「現代朗読基礎コース」全10回の9回め。
いよいよ押し詰まってきたが、時間になってもふたりしか来ない。
やむなくボチボチと基礎訓練から始めたら、11時すぎになってひとり、さらに12時近くになってひとり、来た。
金曜日の夜更かしや飲みすぎが原因とのこと(笑)。
気をつけてねー。

とはいえ、しっかりと基礎訓練をおこない、「枕草子」の冒頭部分を使ってリズム読みの練習。
これは去年の夏公演でもおこなった群読方法で、むずかしいが、できるようになってくるとだんだん楽しくなってきて、ノリノリになる。
日本語の特性を生かした音楽的群読方式。

まりなちゃんが昼ゼミにも出ると残ったので、近くのパン屋でパンを買ってきてお昼をいっしょに食べたついでに、手芸部に無理やり勧誘する。
かぎ針編みのいちばん基本的な最初のところを教えてチャレンジしてもらった。
どうやらはまったみたいで、帰りに下北沢の〈パピー〉で道具と毛糸を買うといっていた。

昼ゼミはひさしぶりに晩さんが来たが、結局ふたりだけだったので、基礎訓練をやったあとはなんとなく人生相談というか、表現にまつわる生き方についての私の所見を、まりなちゃんの就活の話にからめながらつらつらと話す。
昨日の話、今度ブログにでもきちんと書こう。
ようするに、我々ひとりひとりの個人的可能性は無限にあるけれど、方向まちがえると袋小路にはいりこんでにっちもさっちも行かなくなってしまう厳しい状況もあるよ、といったような話。

夜、Gyaoでソフバンがスポンサーになって無料公開している「バベットの晩餐会」をネットで観る。
いい映画だ。
寓話っぽくて荒っぽい話運びではあるけれど(それもねらいなのかもしれない)、芸術家としての人間の尊厳とか生きる意味といったことを深くかんがえさせられてしまう。

2014年3月15日土曜日

中村和枝+河合拓始ピアノ連弾コンサートを聴いてきた

昨夜は両国の〈門天ホール〉まで「中村和枝+河合拓始ピアノ連弾コンサート Vol.4」を聴きに行ってきた。
〈門天ホール〉は一昨年に門前仲町に〈門仲天井ホール〉としてあったものが閉館し、両国に移転して再オープンしたホールだ。
以前の門仲ホールはビルの最上階にあって天井も高く、「ホール」という風情もあったよい箱で、私もいずれは一度演ってみたいと思っていた場所だっただけに、閉館は残念だった。
あたらしい門天ホールはホールという風情はあまりなく、箱としての魅力はかなり欠ける印象があったが、しかし昨夜のコンサートの内容はそれをカバーしてあまりある楽しいものだった。

中村和枝さんと河合拓始さんの連弾コンサートは、私はこれが二度めとなる。
前回も楽しかったが、今回はさらに現代音楽に的を絞りこみ、タイトな演目をバラエティ豊かにならべて充実した内容だった。

和枝さんが正直に明かしていたけれど、どの演目もたくさんの練習を要する難曲で、わざわざ河合さんが在住している福岡まで練習に出かけたらしい。
そしてどの曲も、現代音楽と「ピアノの連弾」という特殊な演奏スタイルの可能性を感じさせてくれる、興味深いものだった。

私の好みの話になってしまうが、二曲めに演奏された山本裕之氏の「土耳古行進曲」は、非常に重厚なえぐい曲で、最初の音からぐいっと引きこまれ、最後の一音まで一瞬たりとも気をそらすことができない求心力を持った曲だった。
この方の曲は、たしか、トロンボーンの村田厚生さんのコンサートのとき、曲名を失念してしまったが、トロンボーンをデチューンすることによってピアノとの気持ちわるい音律差を作り、あたかもピアノの調律が狂っているかのような船酔いのような感覚をオーディエンスにもたらすおもしろいものがあって、きっと私の好みにしっくりくるのだろう。

もちろんそれだけでなく、河合拓始さん作の「何#3」、原田敬子さんの「4 Hands for a grand piano」、渡辺俊哉さんの「透かし織り」という繊細極まりない曲、平石博一さんのミニマル的なアプローチでありながらアイディアの玉手箱のような作品「アップ・トゥ・デイト」、そして伊左治直さんの「機関二人猩々」という新作初演曲など、いずれも次から次へと大変楽しく、和枝さんと河合さんの工夫と苦労のあとがいっぱい感じられたコンサートだった。

終わってから飲み物がふるまわれ、演奏者、作曲者、参加者と自由な交流の機会が作られたことも楽しかった。
こういうオープンな場で交流することの苦手な私なのだが、コンサートの内容に押されてめずらしく何人かの方と興味深く話をさせてもらったのが楽しかった。
和枝さん、河合さん、関係者のみなさん、おつかれさまでした。
そしてありがとうございました。

2014年3月14日金曜日

あいぶんこ朗読ポッド Vol.64

中野〈Sweet Rain〉で2014年2月22日におこなわれた〈ウェルバ・ムジカ〉のデビュー戦の模様を何回かにわたって抜粋してお届けしています。

ファーストステージのパフォーマンスから。
小川未明の短編「おかめどんぐり」を山田みぞれが朗読しました。
楽器陣はピアノ・水城ゆう、ベース・日野了介、ドラムス・今竹一友です。

視聴はこちら(下の画像をクリック↓)
※3月16日(日)夜、下北沢の老舗ライブバー〈レディ・ジェーン〉にて、常連になりつつある朗読と音楽のユニットがマルチリード奏者の森順治さんをゲストに迎えて、「狂気と笑い」をテーマでお送りします。
 ご案内はこちら

2014年3月13日木曜日

朝ゼミ、昼ゼミ、夜ゼミ、現代朗読の一日

今日は朝ゼミ、昼ゼミ、夜ゼミと、木曜日の現代朗読の一日だった。
現代朗読ではこのところ、「体認」ということを重視していて、そのためのエチュードをゼミでは毎回しっかりとやっている。
朗読という「声を発する」表現行為において、ついつい口回りや頭でかんがえた「こう読まねば」という縛りが発生してしまうのだが、そこから自由になり、「いま自分はどのように読みたいのか。どう表現したがっているのか」という自分自身の深い場所からのメッセージを聞き取り、それを体現していくための訓練として、「体認のエチュード」がある。

表現は結局、自分の身体性とどう向き合うかというところに行き着く。
これは朗読にかぎらず、音楽でも、ダンスでも、美術でも文学でも、すべておなじことだろうと思う。

朝ゼミでは随分ひさしぶりに矢澤ちゃんが来てくれた。
ひさしぶりの人も初めての人も、交流できて刺激的だった。

朝ゼミの途中から参加した唐ちゃんが、昼も残って昼ゼミに参加してくれるというので、私が練習を始めたばかりのかぎ編みを少し教えてもらった。
まだ最初の部分を練習したり、何度かやりなおしたりしているところ。

昼ゼミでも体認のエチュードをしっかりやる。

夜ゼミはみぞれちゃんと菜穂子さんのふたりだけだったので、特別に体認のエチュードの強化バージョンをやってみる。
ふたりとも、5月4日に京都の法然院でやる公演に出演することになっていて、そのためにどうしても体認を深めてもらう必要がある。
法然院はほかに、昼ゼミに参加した満里菜ちゃんと、今日は来れなかった梓が群読で参加してくれることになっている。

みぞれちゃんは用があって早めに帰ったので、菜穂子さんと音楽とのコミュニケーションの稽古をする。
表面的に反応しあうことではなく、お互いにより深い部分で共鳴しあってひとつのパフォーマンスを作ることについて試してみたのだが、おもしろい発見や確認できたことがたくさんあった。

あいぶんこ朗読ポッド Vol.63

中野〈Sweet Rain〉で2014年2月22日におこなわれた〈ウェルバ・ムジカ〉のデビュー戦の模様を何回かにわたって抜粋してお届けしています。

ファーストステージでおこなわれた数学の『ユークリッド原論』を、数学者の照井数男が朗読しました。
楽器陣はピアノ・水城ゆう、ベース・日野了介、ドラムス・今竹一友です。

視聴はこちら(下の画像をクリック↓)
※3月16日(日)夜、下北沢の老舗ライブバー〈レディ・ジェーン〉にて、常連になりつつある朗読と音楽のユニットがマルチリード奏者の森順治さんをゲストに迎えて、「狂気と笑い」をテーマでお送りします。
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旅カフェ〈Stay Happy〉で初めての共感カフェを開催した

昨日は20時から、下北沢・旅カフェ〈Stay Happy〉では初めてとなる共感カフェを開催した。
少人数で(私をいれて5名)、こたつスペースを囲んでじっくりとやれた。

初めて共感的コミュニケーションに触れる方がふたりいらした。
それぞれ日頃感じているコミュニケーションの問題があって、具体的な事例にそって共感スキルのプロセスを解説しながら丁寧に解決方法をいっしょにかんがえることができた。

共感スキルはまず自分自身のニーズにつながり、日々刻々の自分の感情、行動、かんがえをクリアにできる方法なので、日常がとてもクリアに見えはじめる。
そしてそのおなじ方法を使って人とつながることもでき、とかく混乱しがちな人間関係をクリアに、おたがいに尊重しあいながら、ともにニーズを満たすことをクリエイティブにかんがえることができる。
みんながこのスキルを身につければどれだけ世の中が安心で、ひとりひとりがイキイキとクリエイティブに生きていけるだろうかと思う。
まずは自分ひとりでも共感スキルを身につけることで、かなりの変化を感じられるようになるはずだ。

共感的コミュニケーションは羽根木の家での勉強会のほか、共感カフェなどさまざまな学びのチャンスがあるので、まずは体験してみることをおすすめするし、できれば継続的に参加して学びを深めてもらいたいと思う。

※3月18日(火)夜、神楽坂の鍼灸・温熱治療院〈エコパオ〉カフェコーナーで共感的コミュニケーションの勉強会「共感カフェ」を開催します。隠れ家的なとっても素敵な場所です。
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※3月の羽根木の家での共感的コミュニケーション勉強会は22日(土)と27日(木)に開催します。
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