2014年3月4日火曜日

断酒10日め

気管支炎にかかったのがきっかけだったが、それまでほぼ毎日のように飲んでいたお酒をすっぱりやめて今日でちょうど10日がたった。
お酒といっても、日本酒ではなく、ワイン、ビール、ウイスキーといった安酒ばかりで、ライブハウスや居酒屋で飲むばかりでなく、家でも寝る前にかならず飲んでいた。
ウイスキーを1、2杯程度で、へべれけになるほど飲むわけではなかったが、それでもある程度、酔いがまわって、そのおかげですぐに眠れてよいと思っていた。

断酒してわかったのだが、酔うから眠りやすくなるわけではない。
酔っていようがいまいが、眠るのは呼吸法や瞑想などによってたやすい。
そして、つい飲みすぎてしまったとき翌朝どんよりと身体や頭が重い、という状況は、皆無になった。
といって、飲まないから睡眠時間が短くなったというわけでもない。
飲んでも飲まなくても睡眠時間には関係ない。

断酒して一番いいと思ったのは、床につくその瞬間まで頭がはっきりしていて、知的生産活動がつづけられる、ということだ。
飲んでしまうと、いくら自分でははっきりしているつもりでも、やはり思考能力は落ちていて、緻密な思考が必要なものごとの考察や計画などは支障がある。
酩酊している状態は気持ちがいいときもあるけれど、とくにないならないで問題ない。
いつも頭がクリアでいるほうが気持ちいいと感じるようになってきた。

とはいっても、酒を飲まなくても眠くなれば頭の働きはにぶるわけだが。

酒を飲まないと、なんだか人生の楽しみのひとつを失ってしまったような寂しさを感じることもあった。
それは錯覚だ。
煙草をやめたときもそんなふうに感じたが、やめてしまったら煙草などなしでもなんの支障がないこともわかった。

20歳のころ、私が初めて社会と本格的に関わるようになったアルバイトは、祇園のバーでのバーテンダー修行だったが、そのときにいろいろなお酒を覚えて、またあらゆる人と交流を持った。
それはいまでも自分の財産だと思っているが、お酒を飲まないというとそのときの経験を捨ててしまうような錯覚を覚えることもある。
もちろんそれも錯覚だ。
お酒を飲まなくてもバーでの経験は経験として貴重だったろうし、そもそもその店のマスターは下戸だった。

まあ別に、無理に絶対に飲まないと決めているわけではないし、断酒を主義にしたわけでもないので、飲みたくなったらまた飲むだろうが、いまはアルコールが脳に回っていない感じの日々をもうすこし楽しんでみようと思っている。