2014年11月20日木曜日

韓氏意拳:韓競辰老師来日講習会に行ってきた

昨日は念願の韓競辰老師来日講習会に参加してきた。
私が稽古している韓氏意拳は、中国武術のなかではもっともあたらしいもののひとつだが、そのルーツは1930年代の王郷斎にさかのぼると聞いている。
その弟子のひとり・韓星橋が、天才的武術家でなかなか理解するのがむずかしかった王郷斎の術理をまとめ、志を守りながら人に伝えようと試みたのだという。
それを伝えられたひとりが、韓星橋の息子のひとり・韓競辰老師で、意拳の体系と訓練方法を現在に伝えられる形でまとめた。
だから、私が学んでいる意拳は、韓競辰老師がいまの体系を作ったものであり、その方から直接学ぶことができるというのは大変ありがたいことだ。

とはいえ、韓氏意拳は大変個人的な武術の表現をめざす体系である。
老師にかぎらず、私が指導を受けている日本の教練や代表の光岡先生も、実際に接してみるとそれぞれかなり感じが違う。
そこが韓氏意拳のおもしろいところでもある。

初めて見た韓競辰老師は、とても60歳をかなりこえている年齢には見えず、はつらつとした言動の方であった。
参加者は40名近くいただろうか、大きな部屋で全員にびんびん響くような張りのある声と、きびきびした動作で講義する姿は、まさに闊達な生命力そのものに見えた。
いっしょに練習する私も、そのエネルギーに巻きこまれ、話を聞いているあいだも早く身体を動かしたくなってしかたがなかったし、動きはじめてからはさらに活発でいきいきした方向へと集中していくのを感じた。

韓競辰老師がそこにいる姿は、もちろんほがらかで優しい笑みをときおり浮かべる親しみのある方だが、しかし近づくとまるで野生動物がそこにいるかのような張りのある存在感も伝わってくるようだった。
人間というのは、本来、このように闊達と、いきいきと存在し、いまここの生命力を発露し表現できる生き物なのだ、ということをあらためて見せられ、うれしくなった。

3時間の講義と稽古の内容はかなり熱く充実したもので、終わったらへたりこみそうなほどへとへとになっているのを感じた。
それほど集中していたのだろう。
へとへとで疲れきってはいたが、いきいきとしたものを感じながら帰路につくことができた。

※内田秀樹準教練による羽根木の家での韓氏意拳の初級講習会は、11月25日(火)夜の開催です。
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