2015年11月12日木曜日

アズワンコミュニティ鈴鹿と出会う(アズワン探訪記その1)

アズワンコミュニティ鈴鹿(以下アズワンと略)のことを最初に知ったのは、いつどこだったのか、ちょっとぼんやりしている。
なにかの記事だったように思う。
お互いのコミュニケーションについて深く研究し、鈴鹿市という地域にくらし、会社を経営し、心地よい環境をめざしながら仕事や生活をしている人々がいる、ということを、なにかで知ったのだ。
3、4年前のことだと思う。

ちょうど私はトランジションタウン運動の集まり・トランジション世田谷 茶沢会に参加し、またNVC(=Nonviolent Communication/非暴力コミュニケーション)の勉強会を自分でも積極的に展開しはじめていた時期だったので、NVC以外にも似たようなコミュニケーションの研究をしている集まりがあると知って、ちょっと興味をひかれた。
しかもそこは、すでに生活や仕事で実践しているという。

さっそくネットで調べたら、ウェブサイトはなにやらよくわからなかったのだが、サイエンズ研究所というところが数冊の本を出していることがわかった。
サイエンズ研究所とアズワンの関係もよくわからなかったし、さらにサイエンズスクールというものがあって研修コースのようなものもあるらしく、ちょっと宗教とかカルト集団ではないか、という疑念が起こった。
しかし、ともあれ、本を読んでみればわかるだろうと思う、オンラインで本を取りよせた(本を書いておくことって大事だね!)

その本はこちらで購入できる。
このなかの、いちばんNVCと関わりがありそうな『人を聴く』を読んでみた。

平易な本だったが、当時の私はアンテナが鈍感で、受信能力が低く、ざっと読みとばした程度で、NVCと似たようなことを日本でもオリジナルでやっている人たちがいるんだな、それはちょっとびっくりするな、程度の感想しか持たなかった。
それっきり忘れていた。

2年前のいまごろだったと思うが、トランジション世田谷 茶沢会のメーリングリストで、浅輪くんが、トランジション鈴鹿の人たちがなにかのイベントで東京に来るついでに、茶沢会とも交流したいといっている、という情報を流してきた。
このトランジション鈴鹿の人たちというのが、アズワンの方たちだったのだ。

羽根木の家で交流会を持ち、お泊まりいただくことになった。
それが最初の出会いだった。
そのとき、宮地さんや北川さんから直接、アズワンがどんな場所なのか、どんなことをおこなっているのかという話を聞いて、非常にびっくりした。
本当にそんなことが実践されているのだとしたら、NVCが目指している社会がすでに実現していることになる。
ぜひ自分自身の目で見てみたいと思った。

それを機に、アズワンの方たちがアースデイや「土と平和の祭典」などのイベントで東京に来るたびに会いに行ったり、羽根木においでいただいたりして、ちょくちょく交流していた。
が、なかなかアズワンを直接訪れる機会が作れずにいた。

そんなとき、今年の春先に、茶沢会の仲間のアーチさんがひとりでアズワンを訪問してきたのだ。
帰ってきたときの彼のひとこと、
「すばらしかった。感動した」

むむむ、すぐにでも行きたい!
が、今年は春に日本ミツバチが羽根木の家にやってきて、その世話やらイベントがつづいて、なかなか行く機会が持てなかった。

夏に、私は不在だったが、またアズワンの人たちが何人か羽根木の家に来て、交流し、宿泊するチャンスがあった。
野々宮がみなさんの話を聞いて感動し、すぐに行こうといい、行動力をみせて私と春野さんの予定を取りまとめ、アズワンの片山弘子さんと具体的な日程の調整にはいった。
そして今回の探訪が実現したのだ。

2015年11月9日。
私は前日、自分の不注意というか横着から、肋骨にひびがはいる怪我を負っていた。
出かける前にまず近所の整形外科に行って受診。
まあ、ギプスをはめる必要もなく、またはめることもできず、痛みは多少あるが日常生活に支障はないので、そのまま出かけた。

午後、春野さんと品川で合流し、野々宮が手配してくれたぷらっとこだまというチケットでのんびりと名古屋に向かう。
名古屋で野々宮と合流、今度は近鉄線で鈴鹿に向かう。
平田町というローカル駅まで乗り換えて行ったが、意外に都会で(失礼!)びっくりした。
駅前にはビジネスホテルが何軒も建っている。

駅には北川さんが車で迎えに来てくれていて、さっそくビジターハウスに連れていってもらう。
こちらで3泊する予定なのだ。
ごく最近、アズワンが使うようになった施設とのことで、元モデルルームだった家は大変広々として居心地がいい。

写真は玄関だが、こちらも広くてびっくりする。
この写真をなぜ掲示したかというと、この玄関のことであとでびっくりするようなことが起こったからだ。
それはあとの楽しみに。

スケジュールや探訪の内容を調整してくれた弘子さんがいらした。
メッセージやネットミーティングを通じてすでに既知の仲だが、生身で会うのはこれが初めて(野々宮はすでに会っていたが)。

まずは食事、それから懇談会、そして懇親会。
懇談会と懇親会の違いは、アルコールがはいるかはいらないかの違いだそうだ。
北川さんと弘子さん、そしてすでに一度羽根木の家でお会いしたことのあるやよいさんらとおいしくいただきながらなごやかにすごす。
食事はよしこさんが用意してくれた(よしこさんには最終日にも夕食をお世話になる)。

こうやって前夜がはじまったのだが、いま振り返ると、すでにこのときから、アズワンのキーワードである「安心・安全」「だれも責められることのない社会」にはいりこんでいて、身もこころもほどけていっていたような気がする。
(つづく)