2016年3月20日日曜日

映画:イベント・ホライゾン

1997年公開のアメリカ映画。
お、けっこう前の映画なんだな。

極私的映画ベストテンのなかに「エイリアン」と「エイリアン2」がはいっていて(念のために別の監督です。それぞれリドリー・スコットとジェームズ・キャメロン)、ホラー宇宙SF映画もしくはサスペンスSF映画が大好きなのだ。
この「イベント・ホライゾン」は、宇宙もの、未来もの、ホラー・サスペンスもの、ということで、わくわくしながら見はじめた。

7年前に消息をたったイベント・ホライゾン号が、ふたたび姿を現したことで、その調査に救助船が向かうところから話がはじまる。
イベント・ホライゾン号の設計者であるウェア博士役を、サム・ニールが演じている。
これがちょっと微妙。

サム・ニールという俳優の顔を見ると、つい反射的にジュラシック・パークを思いだしてしまう。
この役と、イベント・ホライゾンでの狂気がかなりはいったシリアスな科学者役とにずれがあって、なんとなく違和感を覚えてしまう。

そんな違和感をかかえながら観ていくと、イベント・ホライゾンという映画はエイリアンのようなかなりの危機的状況を演出しつつ、人間の知恵を超えた何者かに遭遇するホラーなインパクトを持っていることがわかってくる。
そりゃーもう怖い。
気の弱い人は観ないほうがいい。
そしてかなり、スプラッタなシーンが出てくる。
そこがちょっと残念。

スプラッタがスプラッタすぎて、度を超しているのだ。
怖さも度を超すと、かえって鮮度が落ちる。
その点、エイリアンの怖さとスプラッタの度合いは、じつによく計算されていて、度を超していない。
ぎりぎりの、もっとも怖さとサスペンスの緊張が高まる一線をねらって、絵が作られているのだ。
もちろん美術のすばらしさもあったけれど。

というところで、監督をチェックしてみたら、監督はポール・W・S・アンダーソン。
そうか、バイオハザードの監督なんだ。
あと、エイリアンVSプレデターとか。
なるほどね。

しかし、ストーリーはなかなか練られている。
いきなり、自分たちが乗っていった救助船が失われる。
大ピンチだ。
しかも、イベント・ホライゾン号のほうにもなにやらホラーチックで危機的な状況が迫ってくる。
お約束の爆破タイマーもある。
これははっきりいって、エイリアンのぱくりだな。

危機に次ぐ危機で、ホラーなシーンもたっぷりあり、最後まではらはらドキドキと緊張しっぱなしで観ることができるので、この手の映画でストレス発散したい人にはおすすめだが、ちょっとばかり「雑」で「度を超した」感じのところが、いかにも昨今のやりすぎハリウッド的な感じがする。


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