2016年4月21日木曜日

共感を拒否される

たぶん、共感的コミュニケーション/NVC(=Nonviolent Communication/非暴力コミュニケーション)を身につけたいと思って学びはじめたり、練習をはじめたりした人の多くが経験することだと思うが、いざだれかに共感しようとして、それを拒否されることがある。

「あなたはいまこういうことを大切にしているから、そういう気持ちなんですね?」
すると、
「ちょっと! そんな気持ち悪い聞き方しないで」
とか、
「それってNVCの文法だよね。知ってる。そういう定型文で訊かれるの、ムカつく」

あなたはただ、相手の気持ちとニーズを知りたくて、おぼえたばかりの文法で共感しようとしているだけなのに、拒絶に遭遇してとても悲しくなる。
悲しくなるのは、相手が自分の質問にこたえてくれないばかりか、こちらの共感したいという気持ちを受け取ってくれないこともあるし、さらにはこちらのつながりたいというニーズを「拒絶」されてしまうせいもあるだろう。
つまりはつながりを拒否されてしまうわけだ。

それをいいかえれば、
「あなたとはいまつながりたくない」
といっているように聞こえる。

しかし、本当にそうだろうか。
相手はあなたとのつながりを拒否しているのではなく、あなたのもののいいかたに嫌悪感を覚えているだけなのかもしれない。
もしそうだとしたら、相手が大事にしているのはなんだろう。

おっと、それを推測する前に、まず自分自身につながっておきたい。
相手に共感し、それを受け取ってもらい、また相手がなにを大切にしているのか知りたい。
相手とのつながりを本当に大切にしている。
また、相手に共感しようとしている自分のことを知ってもらい、受け入れてもらいたい。

さて、相手はなにを大事にしているのだろうか。
ここではただ推測するだけでいい。
相手に共感を拒否された悲しさや痛みはなかなか消えないかもしれない。
しかし、相手にもニーズがあるはずだということを思うとき、痛みはすこし薄れ、ひょっとしたら時間がたっていつかまた相手につながろうと試みる気持ちがもどってくるかもしれない。

つながりと共感の可能性を信じ、それをけっして手放さないことが、非暴力の道を歩くということだ。

共感的コミュニケーションでもとくにやっかいだといわれている親密な関係であるところのパートナーと、お互いに尊重しあい、関係性の質を向上させるための勉強会を4月23日(土)夜におこないます。