2016年8月23日火曜日

映画:ミッション・インポシブル/ローグネイション

2015年公開のアメリカ映画。
監督は脚本家のクリストファー・マッカリー。
脚本は「ユージュアル・サスペクツ」「X-メン」「ワルキューレ(監督も)」「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」「アウトロー(監督も)」などを手がけていて、ハリウッドのベテラントップランナーといっていいでしょう。
主役のイーサン・ハントは、いわずもがな、トム・クルーズですね。

ちなみに、私はトム・クルーズ主演の「カクテル」という映画をもじって、『週末バーテンダーのすすめ』という本を「栗栖十三」というペンネームで書いたことがあります。
「栗栖《くりす》」はクルーズ、「十三《じゅうぞう》」はトムからこじつけたんですね。

この「ミッション・インポシブル」はもともとテレビシリーズで、私も子どものころに「スパイ大作戦」として食いついて見ていた覚えがあります。
不可能を可能にする奇想天外な作戦、トリックなど、子ども心にもわくわくしたものです。
その影響が、いまから思えば、自分の初期のころの娯楽小説群にあらわれているかもしれません。
スパイ大作戦とか、アメリカの犯罪小説(とくにドナルド・E・ウェストレイクとか)とか、アメージングストーリーとか、そういうものからたくさんの影響を受けてきました。

その観点から見ると、この「ローグネイション」はトリックの要素はあまり多くなく、近年のハリウッド映画がすべからくそうであるように、暴力とアクションに重点が置かれています。
しかし、トリックがまったくないわけではなく、また監督が脚本家ということもあってか、ストーリーはそこそここみいっています。

最近の観客はこみいったストーリーを好まず、伏線すら拾えない、ということを聞いたことがあるんですが、もしそうだとしたら「ローグネイション」はまったく観客受けしない映画だといえるでしょう。
そこをアクションシーンで無理やり引っ張っているかもしれませんね。
カーチェイスとか、バイクチェイスとか、銃撃とか殴りあいとか、そういうのを脊髄反射的に拾って観ているだけで2時間以上があれよあれよとすぎていって、最後はなんとなくスカッと解決した気になって満足する、そんなふうに作られている映画のような気がします。
アクションシーンのところは薄眼で流して観て、ちゃんとストーリーとトリックを追って観ると、それなりに楽しめる映画かもしれません。

最後のどんでん返しのところはスパイ大作戦っぽくできていて、楽しかったですよ。

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