2017年1月26日木曜日

映画:パーカー

2013年公開のアメリカ映画。
原作はリチャード・スタークの「悪党パーカー」シリーズの『悪党パーカー/地獄の分け前』。

リチャード・スタークは別名ドナルド・E・ウェストレイクといい、私が最高に好きなクライムノベルの「ドートマンダー」シリーズを書いた人です。
多才で多作な人で、ほかにもタッカー・コウ、サミュエル・ホストなどの名義で、さまざまな小説(ペーパーバックノベル)を書きまくりました。
ビートルズの曲に「ペーパーバック・ライター」というのがあるけど、それを連想します。

ウェストレイク名義で書いたドートマンダーのシリーズでは『ホット・ロック』『強盗プロフェッショナル』『ジミー・ザ・キッド』『悪党たちのジャムセッション』など、何度読み返したことかわかりません。
私が29歳のときにSF冒険小説でデビューしたあと、いろいろな出版社から注文を受けて書いたとき、もっとも影響を受けていたのがウェストレイクでした。
いまはなき朝日ソノラマの新書で出した『軌道戦線』という小説は、SFの様式を借りながら、じつはウェストレイク式のクライムノベルだったという思い出があります。

そして監督はテイラー・ハックフォード。
「愛と青春の旅だち」や「カリブの熱い夜」「レイ」などを作っています。
とくにレイ・チャールズの伝記映画である「レイ」は、このあとレビューしようと思っています。

パーカー役の主演はジェイソン・ステイサム。
助演女優にジェニファー・ロペスが控えています。
このジェニファーがいい感じなんですねー。

お金に困っているしがない不動産業の営業ウーマンを、じつに欲深い感じで演じています。
でも、憎々しいのといとおしいののギリギリのラインを演じている。
これは原作にも負うところが大きいのかも。
ウェストレイクとはすこし毛色が違うけれど、私のもうひとりの最高に好きなクライムノベル作家としてエルモア・レナードという人がいましたが、そのあたりとも通じる複雑な人間味あふれる感じがあります。

ジェイソン・ステイサムもなかなかいいですよ。
バカ映画にたくさん出ている典型的な俳優ですが、私はこの作品が彼のもっともいい味を出しているんじゃないかなと思います。

水城ゆう音楽レッスン@世田谷新代田(1.27)
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