2018年1月17日水曜日

共感的コミュニケーションにおける「契約」問題

15日(月)の午前11時から、共感音読カフェを開催した。
平日の開催で参加者があまり多くなく、ときには参加者がいなくて開催が流れてしまうこともあったので、今年から基本的に土日に開催しようかと思っていたのだ。
自分のリソースの有効性と持続性のニーズにためだ。
とはいえ、平日日中の開催を望む声が何人かから届いたので、それに応えることにした。
こちらは貢献とつながりのニーズを満たすためだ。

15日は旧ゼミ生のヤザワちゃんが直接国立に、鈴鹿のえりこさんがオンラインで参加してくれた。
ヤザワちゃんはとくに話したいこととかやってみたいことはなくて、ただ私の顔を見に来ただけだといっていたのだが――それはそれでうれしくありがたい――、話をしているうちにいろいろ出てきて活発になった。
えりこさんはちょっとした気がかりがあって、それをシェアしてくれた。

いずれも家族のような親密な関係の相手とどのようにつながるか、気がかりがあるときに自分にどんなことが起きているのか、気づいたり、自己共感したりする時間となった。
私にも大きな気づきがあって、ありがたいと思った。

とくに私にとって大きかったのは、共感的コミュニケーションにおける「契約」についてだ。
契約、なんていうと、なんとなく共感的コミュニケーションにはそぐわない言葉のように聞こえるが、通常の社会的な意味とはすこしちがう意味がこめられている。
「お互いのニーズを満たすために、お互いに合意した上での約束ごと」

子どもがお母さんになにかを約束する。
お母さんも自分のニーズを伝えて子どもの約束を聞き入れ、自分も約束をする。
この契約においてもっとも重要なことは、もし契約がやぶられたときにどうするか、だ。

通常の社会契約においては、契約違反にたいしては罰則が適用されることが多い。
罰則が契約の履行の確実性をうながすとされている。
しかし、共感的コミュニケーションにおいては、罰則という考え方はない。
もし約束が履行されなかったとき、そのニーズに共感し、また満たされなかったお互いのニーズについてももう一度確認しあう。
その上で、契約の見直しをする、というプロセスを踏む。
そうやって繰り返しニーズを確認し、契約を更新していくことで、お互いに大切にしあえる人間的な関係性を粘りつよく作りつづけていくのだ。

ところで、今年から共感カフェに音読カフェも合体した欲張りな内容にすることにした。
しかし、ここで問題がひとつ。
オンラインで遠隔参加している人と、どのように音読エチュードをやるか。

実際にやってみたことがあるのだが、音読エチュードの群読をやろうとしても、ネット経由だとタイムラグが生じて、同時読みがずれてしまうのだ。
エコーのようになってしまって、うまく合わせることができない。
なので、同時になにかを読むエチュードはできないことがわかっている。
しかし、音読エチュードはほかにもさまざまなものがあるので、タイムラグがあっても大丈夫なものを採用すればいいし、あらたにそういうものを考案してもいいだろう。

そんなわけで、次回の共感音読カフェまでに、ネット参加者もタイムラグを気にせずに参加できる音読エチュードをいくつか用意しておくことにした。
遠方の方も、自宅からの方も、どうぞチャレンジしてみてください。

次回の共感音読カフェは1月20日(土)午後2時からの開催となっている。
またその前には、私が出向く共感カフェが3つ連続である。
17日(水)夜に下北沢の旅カフェ〈ステイハッピー〉で、18日(木)午後にやはり下北沢のカフェ〈かまいキッチン〉で、19日(金)昼に国立の古本カフェ〈門〉で、それぞれ共感カフェを開催するので、タイミングがあえば気軽にご参加ください。

1月開催:共感音読カフェ@国立春野亭(オンライン参加可)
心身の健康向上・調整・未病・活力向上に力を発揮する音読療法(ボイスセラピー)と、人間関係や自分自身とのつながりの質を作ることに力を発揮する共感的コミュニケーションを組みあわせていいとこ取りをするカフェ形式の勉強会です。1月の開催は20(土)/27(土)、いずれも14時から約3時間です。