2018年3月10日土曜日

渋谷文化総合センターでの「沈黙[朗読X音楽]瞑想」コンサート

2018年3月9日、金曜日夜。
渋谷文化総合センター大和田の大練習室にて、東京ではずいぶんひさしぶりとなった「沈黙[朗読X音楽]瞑想」のコンサートを開催した。

この公演は、2016年末に閉館した明大前〈キッド・アイラック・アート・ホール〉のギャラリースペースでおこなっていたものだが、閉館にともなって東京での開催が中断していた。
単発で大阪や名古屋で何度かおこなったものの、東京では開催適地を探していた。
今回、渋谷の文化総合センターの大練習室を押さえることができて、ひさしぶりの開催となった。

こちらは練習室だけあって、音響がよく、またグランドピアノが完備されているので演奏にもうってつけだ。

当日、国立から渋谷に移動し、18時すぎに会場入り。
ピアノを移動し、椅子を配置。
今回はピアノをまんなかあたりに置いて、まわりに椅子をばらばらと置くという配置にしてみた。
そして、記録用のカメラを設置。
NVC仲間ののぞみさんが早めに駆けつけて手伝ってくれたので、大変ありがたかった。

金曜夜ということもあったのか、あるいは時期が悪かったのか、参加者は少なかったのだが、ひさしぶりに来てくれる人も何人かいて、リラックスした雰囲気ではじめることができた。

開演時間19時ぴったりにスタート。
まずはこれまでの経緯や公演内容について私からすこし話をさせていただき、そのあとピアノ演奏からはじめた。
いつものとおり、完全な即興演奏、どんな音が出てくるのか、自分でもわからない。
出てきた音がつぎの音へと導いてくれ、私はただ自分の居心地のいい方向へ、わくわくする方向へと進んでいくばかり。
ときにはその方向が自分の演奏技量を超える位置だったりするけれど、そこはがんばってチャレンジし、失敗することもあれば、思いがけず乗りこえられることもある。
今回もそんな感じ。

すぐに野々宮卯妙が朗読ではいってくる。
体調が完全でないといっていたが、はいってきた瞬間に集中している身体であることがわかる声だった。
テキストは私がこの公演のために書きおろした「遠くからやってきた波に乗るということ」という作品。
めずらしくSFっぽくないストーリー。

前半は沈黙の朗読で、後半が音楽瞑想という2部構成の公演なのだが、いつも前半のほうにボリュームがある。
今回も前半の50分くらいが沈黙の朗読パートで、そのあと私は音楽瞑想のための演奏をかなり長くやったつもりだが、あとで確認したら15分強くらいだったようだ。
自分では30分くらい演奏したつもりだったのだが。

終わってから、みなさんに紙と色筆ペンを渡すと、黙々とお絵かきタイム。
なぜかこの公演が終わったあとは絵を描きたくなるらしい。
さまざまに芳醇なイメージを描いてもらって、私は言語化できないほどのたくさんのニーズが満たされた思いをいただいた。

今回、私にとっての大きな収穫は、ピアノの即興演奏にしてもテキスト表現にしても、私がより自分らしい表現であり、そのクオリティを高めたいというニーズがさらにクリアになり、どちらに向かいたいのかもくっきりしてきたことだった。
その機会をまたいただきたいと思っている。
次回のこの公演は、6月か7月くらいをかんがえている。